「移動販売を始めたいけれど、実際に儲かるの?」
キッチンカーや移動販売車を使ったビジネスは、実店舗と比べて小さなスペースから始めやすく、イベントや商業施設、オフィス街など、需要のある場所へ移動できるのが大きな特徴です。
一方で、車両購入費、食材費、出店料、燃料費、営業許可に関する費用など、移動販売ならではのコストも発生します。
そのため、「移動販売なら低コストで簡単に儲かる」と考えるのは危険です。
重要なのは、どこで販売するか、何を売るか、いくらで売るか、1日に何食売るかを事前に計算しておくことです。
この記事では、移動販売は本当に儲かるのか、利益が出る仕組み、必要な売上、儲かりやすいメニュー、失敗しやすいポイントなどを詳しく紹介します。
目次
移動販売は儲かる?結論からいうと「立地と商品次第」

移動販売は、うまく運営できれば十分に利益を狙えるビジネスです。
ただし、売上が安定するかどうかは、実店舗以上に「出店場所」の影響を受けやすい傾向があります。
たとえば、同じ商品を販売していても、平日のオフィス街と人通りの少ない住宅地では、販売数が大きく変わる可能性があります。
さらに、イベントに出店すれば多くの人に商品を販売できる一方、高額な出店料がかかるケースもあります。
つまり、移動販売で利益を出すには、
- 売れる場所を確保する
- 利益率の高い商品を作る
- 食材ロスを減らす
- 仕込み時間を短縮する
- 客単価を上げる
- 出店料や燃料費を管理する
といった経営が重要です。
「何を売るか」だけではなく、どこで、誰に、どのくらい販売するのかまで考える必要があります。
移動販売で利益が出る仕組み
移動販売の利益は、基本的には「売上から必要経費を差し引いた金額」です。
売上を構成する主な要素は、次のとおりです。
売上=商品単価×販売数量
そして、そこから食材費、出店料、燃料費、包装資材費、車両関連費、決済手数料などを差し引きます。
たとえば、1個800円の商品を1日80個販売できれば、単純計算で1日の売上は6万4,000円です。
しかし、売上が6万4,000円あっても、食材費や出店料などが大きければ、手元に残る利益は少なくなります。
そのため、移動販売では「売上が高い=儲かる」とは限りません。
売上だけでなく、1食あたりにいくら利益が残るのかを見ることが重要です。
移動販売でかかる主な費用
移動販売を始める際には、開業時にかかる費用と、営業を続けるためのランニングコストがあります。
車両購入・改装費
最初に大きな負担になりやすいのが、移動販売車に関する費用です。
中古車をベースにするのか、新しく車両を製作するのかによっても必要な資金は変わります。
販売するメニューによって必要な設備も異なります。
たとえば、揚げ物を中心にする場合はフライヤーなどが必要になりますし、冷たいドリンクを販売する場合は冷蔵・冷凍設備が必要になります。
食材費
営業するたびに発生する代表的な費用です。
食材原価を抑えることは重要ですが、安さだけを追求すると商品の品質が落ちる可能性があります。
重要なのは、販売価格とのバランスです。
出店料
イベントや商業施設などに出店する場合、出店料が必要になることがあります。
売上に対する歩合制の場合もあれば、1日単位で料金が設定されている場合もあります。
特に注意したいのが、集客力の高いイベントだからといって必ず儲かるとは限らないことです。
出店料が高ければ、それだけ売上を上げなければ利益が残りません。
ガソリン代
移動販売ならではの経費です。
出店場所が遠くなるほど、燃料費や移動時間が増えます。
複数の出店場所を回る場合は、移動効率も考える必要があります。
包装資材費
テイクアウトが中心になる移動販売では、容器や袋、カトラリーなどの費用も積み重なります。
1個あたりでは少額でも、販売数量が増えるほど大きな経費になります。
決済手数料
キャッシュレス決済を導入する場合は、決済サービスに応じた手数料が発生します。
現金だけに限定するよりも購入しやすくなるため、利便性とのバランスを考えて導入するとよいでしょう。
移動販売で儲かりやすいメニューとは?

移動販売では、すべての料理が同じように利益を出せるわけではありません。
特に重要なのが、提供スピードと原価率、客単価のバランスです。
クレープ
クレープは移動販売の代表的なメニューです。
生地やトッピングの組み合わせによって、価格帯を調整しやすいのが特徴です。
フルーツ系、チョコレート系、季節限定商品など、バリエーションを作りやすい点も魅力です。
たこ焼き
たこ焼きもイベントや祭りなどと相性のよい商品です。
まとめて調理しやすく、ソースやトッピングによって味のバリエーションも作れます。
唐揚げ
唐揚げは単品販売だけでなく、弁当や丼などにも展開できます。
ただし、油の管理や設備、提供スペースなどを考える必要があります。
カレー
カレーは仕込みをまとめて行いやすく、トッピングによって客単価を上げやすいメニューです。
ただし、衛生管理や保温・提供方法について十分に検討する必要があります。
ドリンク
ドリンクはフードと組み合わせて販売しやすい商品です。
単品では客単価が低くても、セット販売にすることで1人あたりの購入金額を上げられます。
かき氷
夏場のイベントでは、かき氷も候補になります。
原材料の構成が比較的シンプルで、シロップやトッピングによってバリエーションを作れます。
ただし、季節による売上変動が大きいため、年間を通して営業するなら秋冬のメニューも考えておく必要があります。
移動販売で儲けるには「客単価」を上げる
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移動販売で儲けるには「客単価」を上げる
販売数を増やすことだけが、売上を伸ばす方法ではありません。
客単価を上げることも重要です。
たとえば、800円の商品を100個販売すると売上は8万円です。
一方、セット販売などによって客単価を1,000円にできれば、100人の購入で10万円になります。
客数を増やすのが難しい場所でも、客単価を上げることで売上を伸ばせる可能性があります。
セットメニューを作る
単品だけでなく、
「フード+ドリンク」
「メイン+サイド」
「スイーツ+ドリンク」
などのセットを用意すると、追加購入を促しやすくなります。
トッピングを用意する
基本商品に追加料金でトッピングできる仕組みも有効です。
たとえば、クレープならフルーツやアイス、唐揚げならチーズやソースなど、追加しやすい商品を考えます。
限定商品を作る
「本日限定」「秋限定」「イベント限定」などの商品を作ると、通常商品との差別化ができます。
ただし、限定商品を増やしすぎると仕込みや在庫管理が複雑になるため、定番商品とのバランスが大切です。
移動販売は「出店場所選び」が特に重要

移動販売で利益を左右する大きな要素が出店場所です。
たとえ商品がおいしくても、ターゲットとなる人がいなければ販売数を伸ばすのは難しくなります。
オフィス街
ランチ需要を狙える場所です。
短時間に多くのお客さまが集中する可能性があるため、提供スピードが重要になります。
弁当、丼、カレー、サンドイッチなど、昼食として購入しやすいメニューが向いています。
商業施設
休日のファミリー層などを狙いやすい場所です。
スイーツやドリンク、軽食など、買い物の途中で購入しやすい商品が考えられます。
イベント会場
一度に多くの人が集まるため、大きな売上を狙える可能性があります。
一方で、出店料や競合店舗の数などを事前に確認する必要があります。
住宅地
地域密着型の営業を目指す場合に候補となります。
ただし、オフィス街や大型イベントと比べて自然に人が集まるとは限らないため、SNSや地域イベントなどと組み合わせた集客が重要です。
移動販売で失敗しやすいパターン
移動販売は小規模で始めやすい一方、準備不足によって利益が出ないケースもあります。
売れる場所を確保せずに開業する
「車を買ってから出店場所を探す」という順番ではなく、先に営業できる場所を調査することが重要です。
地域や営業形態によって必要な許可・届出なども異なるため、開業前に確認しておきましょう。
メニューを増やしすぎる
「いろいろな料理を売りたい」と考えてメニューを増やしすぎると、食材の種類や仕込み工程が増えてしまいます。
結果として、食材ロスや作業時間が増える可能性があります。
最初は看板商品を絞り込み、売れ行きを見ながら追加する方法がおすすめです。
出店料を軽視する
売上だけを見て「今日は10万円売れた」と判断するのは危険です。
出店料が高い場所では、売上が大きくても利益が少ない可能性があります。
出店前に、最低限必要な販売数を計算しておきましょう。
移動距離が長すぎる
遠方のイベントばかりに出店すると、燃料費や高速道路料金、移動時間などが増えます。
売上だけではなく、移動にかかるコストも考えて出店先を選ぶことが重要です。
移動販売の損益分岐点を考える
移動販売を始めるなら、「1日何個売れば赤字にならないのか」を計算しておくと安心です。
たとえば、商品価格が800円、1個あたりの変動費が300円だとします。
この場合、1個販売するごとに残る金額は500円です。
ここから車両費や出店料、燃料費などの固定的な経費をまかないます。
仮に1日の固定的な経費が2万5,000円なら、単純計算では50個販売すると経費を回収できる計算になります。
実際には、車両の減価償却費、保険、通信費、決済手数料、人件費なども考える必要があります。
そのため、開業前には**「売上目標」ではなく「利益目標」から逆算すること**が大切です。
移動販売はSNSとの相性がよい
移動販売の特徴は、店舗の場所が固定されていないことです。
そのため、「今日はどこで営業しているのか」を知らせる手段が重要になります。
InstagramやXなどのSNSを活用して、
- 本日の出店場所
- 営業時間
- 完売情報
- 新商品
- 限定メニュー
- 商品の調理風景
- 次回の出店予定
などを発信すると、リピーターを作りやすくなります。
特に「今日は○○公園に出店します」といったリアルタイムの情報は、固定店舗とは違う移動販売ならではの発信内容です。
リピーターを増やすことが利益につながる
移動販売では、新規客だけを追い続けるよりも、リピーターを増やすことが重要です。
一度食べて気に入ってもらえれば、次回の出店場所にも足を運んでもらえる可能性があります。
そのためには、
「また食べたい」
と思ってもらえる看板商品を作ることが重要です。
商品数を増やすよりも、「この店といえばこの商品」という代表メニューを育てるほうが、ブランドを作りやすくなります。
季節による売上変動にも注意
移動販売は、天候や季節の影響を受けやすいビジネスです。
夏に売れやすいかき氷や冷たいドリンクは、気温が下がると販売数が減る可能性があります。
反対に、秋冬には焼き芋、スープ、ホットドリンクなどが売りやすくなります。
そのため、年間を通して営業するなら、季節に合わせて商品を切り替えることが重要です。
春
- クレープ
- サンドイッチ
- 桜スイーツ
- ドリンク
夏
- かき氷
- 冷たいドリンク
- 冷製スイーツ
- 軽食
秋
- 焼き芋
- 栗スイーツ
- さつまいもスイーツ
- きのこ料理
冬
- スープ
- ホットドリンク
- カレー
- 焼き芋
このように、季節ごとに「売れる商品」を準備しておくことで、年間の売上を安定させやすくなります。
移動販売を始める前に確認したいこと
移動販売は、誰でも自由にどこでも営業できるわけではありません。
販売する食品や営業形態、営業する地域などによって、必要な許可や設備、衛生管理上の条件が異なる場合があります。
開業前には、営業予定地域を管轄する自治体や保健所などに確認し、必要な手続きを把握しておくことが重要です。
また、出店先との契約条件、道路や公園などの使用に関するルール、イベントごとの出店条件なども確認しましょう。
車両を先に購入するのではなく、販売する商品と営業地域、必要な設備・許可を整理してから車両を選ぶことが、無駄な出費を防ぐポイントです。
移動販売は副業としてもできる?
移動販売は、小規模から始められる点から、副業として検討されることもあります。
ただし、実際には仕込み、買い出し、車両の清掃、営業、売上管理、SNS更新など、多くの作業があります。
営業日だけ働けばよいわけではない点には注意が必要です。
特に食品を扱う場合は、衛生管理や仕込みの時間も確保しなければなりません。
そのため、副業で始める場合は、まず週末だけ、月に数回だけなど、無理のない営業頻度からテストする方法もあります。
販売数や客層、利益率を確認してから営業日を増やすことで、リスクを抑えながら事業を検証できます。
移動販売で儲けるためのポイント
移動販売で利益を出すためには、次のポイントを意識しましょう。
売れる場所を先に探す
車両を購入する前に、どこで販売するのかを考えます。
看板商品を作る
「わざわざ買いに行きたい」と思ってもらえる商品を一つ作ります。
原価を管理する
食材費だけでなく、容器や調味料なども含めて商品ごとの原価を把握します。
提供時間を短くする
イベントなどでは行列ができるため、注文から提供までの時間が長いと販売機会を逃す可能性があります。
客単価を上げる
セットやトッピング、ドリンクなどを組み合わせます。
SNSを活用する
移動販売では営業場所を知らせる情報発信が特に重要です。
数字を毎回確認する
「売上」「販売数」「原価」「出店料」「交通費」などを記録し、どの場所・商品が利益につながったのか分析します。
まとめ
移動販売は、「簡単に儲かるビジネス」ではありませんが、販売場所と商品設計を工夫すれば利益を狙えるビジネスです。
特に重要なのは、売上だけを見るのではなく、利益がどのくらい残るのかを把握することです。
移動販売で成功を目指すなら、
- 売れる場所を確保する
- 利益率を考えて商品価格を設定する
- メニューを絞る
- 食材ロスを減らす
- 出店料や燃料費を管理する
- 客単価を上げる
- SNSで出店情報を発信する
- リピーターを増やす
- 季節に合わせて商品を変える
- 開業前に必要な許可や設備を確認する
といった取り組みが重要です。
移動販売の最大の魅力は、お客さまがいる場所へ自分から移動できることです。
一方で、その自由度の高さが「どこで営業するか」という難しさにもつながります。
だからこそ、開業前から出店候補を調査し、商品の価格、原価、販売数、出店料、移動費などを具体的に計算しておくことが大切です。
「おいしい商品を作れば売れる」と考えるのではなく、商品力と出店場所、数字の管理を組み合わせることが、移動販売で利益を残すためのポイントといえるでしょう。

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