利益率アップの秘訣とは?売上を増やさなくても利益が残る飲食店の作り方

経営ノウハウ

「毎日忙しく営業しているのに、思ったほど利益が残らない。」
「売上は前年より伸びているのに、資金繰りはなぜか楽にならない。」

このような悩みを抱えている飲食店経営者は少なくありません。
飲食店経営では売上が注目されがちですが、本当に重要なのは「いくら利益が残るか」です。

売上が高くても原価や人件費、光熱費などのコストが増え続ければ、利益は思うように残りません。
一方で、売上を大きく伸ばさなくても利益率を改善し、しっかり利益を確保している店舗も数多く存在します。

その違いは、日々の厨房オペレーションやメニュー構成、設備の使い方、そして数字の管理方法にあります。
特に近年は食材価格や光熱費の上昇が続き、以前と同じ経営方法では利益を維持することが難しくなっています。

だからこそ、「利益率を高める経営」を意識することが、これからの飲食店には欠かせません。
本記事では、厨房のプロの視点も交えながら、利益率アップにつながる具体的な方法をご紹介します。

売上だけを追いかけるのではなく、「利益が残るお店」を目指すためのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

■ 売上よりも「利益が残るメニュー」を育てる

飲食店では、「たくさん売れている商品=利益を生み出している商品」と考えてしまいがちです。
しかし、実際には売れている商品が必ずしも利益を生み出しているとは限りません。

利益率の高い店舗では、「売上」だけでなく、「一皿あたりにどれだけ利益が残るか」という視点でメニューを見直しています。

人気商品ばかりに力を入れるのではなく、利益を生み出す商品を育てることが、長く安定した経営につながります。
ここでは、その考え方について詳しく見ていきましょう。

●人気メニューと利益メニューは違う

「うちの看板メニューだから。」

この理由だけで価格や原価を見直さずに販売を続けている店舗は意外に多くあります。
例えば、高級な牛肉を使用したステーキは、お客様からの人気は高いかもしれません。

しかし、原価率が高く、調理時間も長ければ、利益率はそれほど高くないケースがあります。

反対に、唐揚げやポテトフライ、枝豆、だし巻き卵などは比較的原価を抑えやすく、短時間で提供できるため、利益率が高くなる傾向があります。

つまり、「人気」と「利益」は必ずしも一致しないのです。

飲食店経営では、人気商品だけで売上を伸ばすのではなく、高利益メニューをバランス良く販売することが重要です。

また、お客様に選ばれやすい位置へ利益率の高いメニューを配置するだけでも、注文率は大きく変わります。
メニュー表は単なる商品一覧ではなく、利益をコントロールするための営業ツールでもあるのです。

●粗利ランキングを作る

利益率を改善したいのであれば、一度メニューごとの「粗利ランキング」を作ることをおすすめします。
売上ランキングは多くの店舗で確認していますが、粗利益まで把握している店舗は決して多くありません。

例えば、次のような項目を一覧にすると分かりやすくなります。

☐販売価格
☐原価
☐粗利益
☐注文数
☐調理時間

これらを並べることで、

「よく売れて利益も高い商品」
「売れているけれど利益が少ない商品」
「利益は高いが注文数は少ない商品」

が見えてきます。
すると、改善の方向性も自然に決まります。

例えば、利益率が高いのに注文数が少ない商品であれば、写真を追加したり、おすすめ表示を付けたりすることで販売数を伸ばせる可能性があります。

逆に、人気はあるものの利益が少ない商品は、付け合わせを変更したり、盛り付けを工夫したりすることで原価を見直せるかもしれません。

数字で分析することで、感覚だけでは見えなかった改善点が明確になります。

利益率アップを目指すなら、「何が売れたか」だけではなく、「何が利益を生んだか」を確認する習慣を付けましょう。

●利益率が高い食材を上手に活用する

利益率が高い飲食店には、共通して「利益を生みやすい食材」を上手に活用しているという特徴があります
例えば、

▶豆腐
▶卵
▶もやし
▶キャベツ
▶じゃがいも
▶うどん
▶パスタ
▶旬の野菜

などは、比較的原価を抑えやすく、多彩なメニューへ展開しやすい食材です。
もちろん、「安い食材だけを使えば良い」という意味ではありません。

重要なのは、高価な食材と利益率の高い食材を組み合わせ、全体の利益バランスを整えることです。
例えば、メイン料理では和牛を使用しながら、付け合わせには旬の野菜を取り入れることで原価を調整できます。

また、一つの食材を複数のメニューへ展開できれば、在庫管理もしやすくなり、食品ロスの削減にもつながります。
さらに、旬の食材は価格が安定しやすく、季節感を演出できるため、お客様の満足度向上にも役立ちます。

利益率アップは、高価な商品を販売することだけではありません。

「食材をどのように使い切るか」「一つの仕入れをどれだけ有効活用できるか」という視点を持つことが、厨房経営では非常に重要です。

利益を生み出す店舗ほど、食材一つひとつの価値を最大限に引き出しています。
だからこそ、仕入れの段階から

「この食材は何種類のメニューに使えるか」
「最後まで無駄なく使い切れるか」

を考える習慣を持つことが、利益率アップへの第一歩になります。

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■ 厨房機器への投資が利益率を左右する

利益率を高める方法というと、「原価を下げる」「売上を増やす」といった方法を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、実は利益率を大きく左右する要素の一つが「厨房機器」です。

「まだ使えるから」という理由だけで古い厨房機器を使い続けていると、目に見えないコストが積み重なり、知らないうちに利益を圧迫している可能性があります。

反対に、厨房機器を適切に見直すことで、光熱費や人件費、メンテナンス費用を削減でき、結果として利益率アップにつながるケースも少なくありません。

厨房機器は単なる設備ではなく、「利益を生み出すための投資」という視点で考えることが大切です。
ここでは、利益率を改善するために知っておきたい厨房機器の考え方をご紹介します。

飲食店の「利益率」の計算方法を解説!実際は何%くらい?

●古い厨房機器は見えないコストになる

厨房機器は毎日使用する設備だからこそ、年数が経過するとさまざまな部分でコストが増えていきます。

例えば、製氷機や業務用冷蔵庫、冷凍庫などは24時間稼働するため、消費電力の差がそのまま毎月の電気代へ反映されます。

10年以上前の機種と比較すると、省エネ性能は大きく向上しており、年間では数万円から十数万円の差が出ることもあります。

さらに、古い機器は故障のリスクも高くなります。
営業中に冷蔵庫が止まれば食材を廃棄しなければならない場合もあり、売上だけでなく店舗の信用にも影響します。

修理費用も一度で数万円以上になることが珍しくありません。

また、「動いているから問題ない」と思っていても、温度が安定しない、冷えるまで時間がかかる、火力が弱くなるなど、性能の低下によって調理効率が落ちているケースもあります。

その結果、スタッフの作業時間が増え、人件費という形で利益を圧迫してしまいます。
厨房機器は壊れてから交換するのではなく、「利益を守るために更新する」という考え方が重要です。

●省エネ機器は長期的に利益を生む

厨房機器を購入する際、「本体価格が安いかどうか」だけで判断してしまうことがあります。

もちろん、初期費用を抑えることも大切ですが、長期的に見るとランニングコストまで考慮することが利益率アップにつながります。

例えば、省エネ性能の高い業務用冷蔵庫や冷凍庫は、消費電力を抑えながら安定した温度管理ができます。
業務用食器洗浄機も、最新機種では節水性能が向上し、水道代やガス代を抑えられるモデルが増えています。

また、IH調理器や高効率ガス機器などは、必要な熱を効率よく利用できるため、エネルギーロスを減らすことができます。

こうした設備は導入時の費用だけを見ると高額に感じるかもしれません。
しかし、毎月の光熱費が削減されれば、数年後には導入費用を回収できるケースもあります。

さらに、最新機器は調理時間の短縮や温度管理の安定化など、作業効率の向上にも貢献します。
例えば、オーブンの予熱時間が短縮されれば、その分だけ仕込みや営業準備がスムーズになります。

スチームコンベクションオーブンのように、一台で焼く・蒸す・煮るといった複数の調理ができる機器を導入すれば、調理工程を効率化できるだけでなく、設置スペースの有効活用にもつながります。

利益率を高めるためには、「購入価格」だけではなく、「導入後にどれだけコスト削減につながるか」という視点で厨房機器を選ぶことが重要です。

●中古厨房機器を上手に活用する

飲食店を開業する際や設備を更新する際、多くの経営者が悩むのが初期投資です。
新品の厨房機器を全てそろえると、多額の設備費用が必要になることも珍しくありません。

そこで注目したいのが、中古厨房機器の活用です。
中古機器というと、「故障しやすいのではないか」「寿命が短いのではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。

しかし、信頼できる販売店で整備・点検された機器を選べば、十分に実用的な性能を発揮するものも多くあります。

特に、作業台やシンク、吊戸棚、ステンレスラックなどの設備は、構造が比較的シンプルなため、中古でも長期間使用できるケースが少なくありません。

また、状態の良い業務用冷蔵庫や製氷機、コールドテーブルなども、中古市場では数多く流通しています。

新品と比較して導入費用を大幅に抑えられれば、その分の資金を広告宣伝費や運転資金、人材育成などに回すこともできます。

これは、開業直後の資金繰りに余裕を持たせるという意味でも大きなメリットです。
ただし、中古厨房機器を選ぶ際には注意点もあります。

製造年式や使用状況、保証の有無、メンテナンス履歴などをしっかり確認することが重要です。
また、消耗部品の交換状況や、今後も部品供給が続く機種かどうかも確認しておくと安心です。

さらに、店舗の営業スタイルに合った能力を持つ機器を選ぶことも欠かせません。

「安かったから」という理由だけで選んでしまうと、能力不足によって作業効率が落ち、かえって利益率を下げてしまう可能性があります。

中古厨房機器は、「コストを削減するための選択肢」であると同時に、「利益率を高めるための戦略的な投資」でもあります。

新品と中古を上手に組み合わせながら、自店舗に最適な設備環境を整えることが、利益を残せる飲食店への近道といえるでしょう。

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■ 「仕込み時間」を短縮すると利益率は大きく変わる

利益率を改善するためには、食材原価や光熱費だけに目を向けるのではなく、「時間」というコストを見直すことも重要です。

飲食店では、毎日の営業前や営業後に行う仕込み作業が欠かせません。
しかし、その仕込み時間が長くなればなるほど、人件費は増え、スタッフの負担も大きくなります。

一方で、同じ品質の料理をより短時間で提供できれば、その分だけ人件費を抑えられるだけでなく、営業時間中の対応力も向上します。

利益率が高い飲食店ほど、「時間もコストの一つ」と考え、厨房全体の作業効率を高めています。
ここでは、仕込み時間を短縮し、利益率アップにつなげるための具体的なポイントをご紹介します。

●1時間の短縮が年間では大きな利益につながる

「たった1時間くらいなら、それほど大きな差はない」と考えてしまうかもしれません。
しかし、その1時間が毎日の積み重ねになると、利益への影響は想像以上に大きくなります。

例えば、時給1,200円のスタッフが毎日1時間仕込みを行っている場合を考えてみましょう。
営業日が年間300日であれば、

1,200円 × 300日 = 360,000円

となり、年間で36万円もの人件費が発生します。

もし厨房の改善によって仕込み時間を30分短縮できれば、その半分である約18万円の削減が期待できます。

さらに、複数人で作業を行っている店舗では、その効果はさらに大きくなります。

これは単なる節約ではありません。

削減できた時間を接客や清掃、新メニュー開発、SNS更新など、店舗の価値を高める業務へ充てることもできます。

利益率の高い店舗ほど、「人を減らす」のではなく、「無駄な時間を減らす」という考え方で改善を進めています。

時間は毎日失われる経営資源です。
だからこそ、小さな時間短縮の積み重ねが、利益率アップにつながる大きな武器になるのです。

●仕込みを標準化して誰でも同じ品質を目指す

「この作業は店長しかできない。」
「ベテランスタッフがいないと仕込みが終わらない。」

このような状態では、店舗運営が特定のスタッフに依存してしまいます。
その結果、人件費が高くなるだけでなく、急な欠勤や退職があった際に営業へ大きな影響を与えてしまいます。

利益率の高い店舗では、仕込み作業をできるだけ標準化しています。
例えば、

◎野菜のカットサイズを写真付きでまとめる
◎調味料の配合をグラム単位で記録する
◎仕込み手順をチェックリスト化する
◎加熱時間や温度をマニュアル化する

このような仕組みを作ることで、誰が作業しても同じ品質を維持しやすくなります。
教育時間も短縮され、新人スタッフでも早く戦力になれるでしょう。

また、調理手順が統一されることで、食材ロスや作り直しも減少します。
例えば、「少し濃いめ」「これくらいで大丈夫」といった感覚的な調理では、人によって味が変わってしまいます。

しかし、計量器を活用し、数値で管理すれば、品質のばらつきを防ぐことができます。
これは、お客様の満足度向上にもつながります。

さらに、仕込み内容を曜日ごとに整理することも有効です。
毎日すべてを準備するのではなく、まとめて仕込めるものは計画的に行うことで、日々の作業量を平準化できます。

利益率アップのためには、「職人技」に頼るのではなく、「誰でも同じように作業できる仕組み」を作ることが重要です。

●厨房レイアウトを見直すだけで作業効率は変わる

厨房で働いていると、一日に何百歩、時には何千歩も歩いていることがあります。
その一歩一歩が無駄な動きだった場合、年間では膨大な時間を失っていることになります。

例えば、

×冷蔵庫と作業台が離れている
×包丁やまな板の置き場所が毎回違う
×調味料を取りに行くために何度も移動する
×食器棚が洗浄機から遠い

こうした小さな無駄は、一回あたり数秒でも、一日を通せば何十分ものロスになります。
利益率の高い店舗では、「動かない厨房」を目指しています。

つまり、必要な道具や食材が手の届く範囲にあり、最小限の移動で作業が完結するレイアウトになっているのです。

例えば、食材を取り出す場所、下処理をする場所、加熱する場所、盛り付けをする場所を一直線に配置することで、作業動線を短縮できます。

また、よく使う調味料は調理機器の近くへ配置し、使用頻度の低い器具は別の場所へ収納するだけでも、作業効率は向上します。

さらに、厨房機器の配置だけでなく、作業台の高さや通路幅も重要です。
狭すぎる通路ではスタッフ同士がぶつかりやすくなり、広すぎると移動距離が増えてしまいます。

店舗の規模やスタッフ数に合わせたレイアウトを考えることが大切です。
一度、営業中の厨房を動画で撮影してみるのもおすすめです。

スタッフがどこで立ち止まり、どこを何度も往復しているのかを客観的に確認すると、多くの改善点が見えてきます。

レイアウトを少し変更するだけで、毎日の作業時間が短縮され、人件費やスタッフの負担軽減にもつながります。
厨房は料理を作る場所であると同時に、利益を生み出すための作業空間でもあります。

だからこそ、「歩く距離を減らす」「探す時間をなくす」「待つ時間を短くする」という視点で厨房を見直すことが、利益率アップへの近道といえるでしょう。

●小さな改善を積み重ねることが利益率アップへの近道

仕込み時間を短縮するために、大掛かりな設備投資が必要とは限りません。

例えば、保存容器にラベルを貼る、食材の定位置を決める、使用頻度の高い器具を取り出しやすい場所へ移動するなど、小さな改善でも効果は十分期待できます。

こうした改善を一つひとつ積み重ねることで、厨房全体の作業効率は大きく向上します。
利益率の高い店舗ほど、「毎日少しずつ改善する」という姿勢を大切にしています。

一度に大きく変えるのではなく、現場で働くスタッフの意見も取り入れながら改善を続けることが、長期的な利益率アップにつながるのです。

■ 廃棄ロスを減らす店ほど利益率は高い

利益率を高めるために売上アップや客単価アップへ力を入れることはもちろん重要です。
しかし、それと同じくらい見直したいのが「食品ロス」です。

せっかく仕入れた食材も、お客様へ提供する前に廃棄してしまえば、その食材は利益を生み出すことなくコストだけが残ってしまいます。

特に近年は食材価格の高騰が続いており、以前であれば気にならなかった少量の廃棄でも、年間では大きな損失になるケースが増えています。

利益率が高い飲食店は、「たくさん仕入れる店」ではなく、「最後まで使い切る店」です。
日々の小さな工夫を積み重ねることで、無駄なコストを減らし、利益をしっかり確保しています。

ここでは、食品ロスを減らし、利益率アップにつなげるためのポイントをご紹介します。

●利益を削る最大の敵は食品ロス

食品ロスは目に見えにくいコストです。

例えば、一日に数百円程度の食材を廃棄しているだけなら、「それほど大きな問題ではない」と感じるかもしれません。

しかし、その積み重ねを一年間で考えるとどうでしょうか。

一日500円の廃棄でも、

500円 × 365日 = 182,500円

となり、年間では約18万円もの損失になります。
さらに、一日に1,000円分の廃棄があれば、その損失は年間36万円を超えます。

これは新しい厨房機器を購入できるほどの金額になることもあります。
また、食品ロスには食材代だけでなく、仕込みにかかった人件費や光熱費も含まれています。

例えば、野菜を洗い、切り分け、加熱し、保存するまでには、多くの時間とエネルギーが使われています。
それらが廃棄されれば、そのすべてが無駄になってしまうのです。

だからこそ、利益率を改善するためには、「売ること」と同じくらい「捨てないこと」が重要になります。

まずは、毎日どれくらいの食材を廃棄しているのかを把握することから始めてみましょう
数字として見える化することで、改善すべきポイントが見えてきます。

●発注を感覚で行わない

食品ロスが多い店舗には、ある共通点があります。
それは、「経験や勘だけで発注している」ということです。

もちろん、長年の経験は大切です。
しかし、天候や曜日、イベント、季節によって来店客数は大きく変動します。

以前と同じ感覚で仕入れを続けていると、必要以上の在庫を抱えてしまう可能性があります。
利益率の高い店舗では、販売データを活用しながら発注量を決めています。

例えば、

☐曜日ごとの来店人数
☐ランチとディナーの販売数
☐天候による売上の違い
☐季節ごとの人気メニュー
☐イベント開催日の売上

このような情報を記録しておくことで、より精度の高い発注ができるようになります。
また、在庫管理表を活用することもおすすめです。

現在の在庫量、使用予定、発注予定を一覧で管理すれば、「まだ在庫があるのに追加発注してしまった」というミスも防げます。

最近では、POSレジや在庫管理システムを利用して販売データを分析する店舗も増えています。
データを活用することで、仕入れの精度が向上し、食品ロスの削減につながります。

利益率アップは、勘ではなく「数字」で管理する時代になっています。

●余った食材を別メニューへ展開する

利益率の高い飲食店では、一つの食材を一つのメニューだけで終わらせることはあまりありません。
複数の料理へ展開することで、在庫を効率よく消費し、廃棄ロスを減らしています。

例えば、
鶏肉であれば、

▶唐揚げ
▶チキン南蛮
▶親子丼
▶サラダのトッピング
▶日替わりランチ

などへ活用できます。
キャベツであれば、

▶サラダ
▶付け合わせ
▶炒め物
▶スープ
▶お好み焼き

など、さまざまなメニューへ応用できます。

このように、仕入れる段階で「この食材は何種類の料理へ使えるか」を考えておくことが重要です。
さらに、季節限定メニューやおすすめメニューを活用することで、使用量を調整しやすくなります。

例えば、「本日のおすすめ」や「数量限定メニュー」を用意すれば、その日に多く残っている食材を自然に消費できます。

お客様にとっても限定感が生まれるため、注文につながりやすくなるというメリットがあります。
利益率アップを目指すのであれば、メニュー開発は「新しい料理を増やすこと」だけではありません。

既存の食材をいかに無駄なく使い切るかという視点も大切です。

●先入れ先出しを徹底し、在庫管理を習慣化する

食品ロスを減らすためには、仕入れだけでなく保管方法も重要です。
どれだけ適切な量を発注しても、古い食材から使う仕組みができていなければ、期限切れによる廃棄は防げません。

そこで基本となるのが、「先入れ先出し」のルールです。
先に仕入れた食材を先に使い、新しく納品された食材は奥へ収納する。

この基本を徹底するだけでも、食品ロスは大きく減少します。
また、保存容器には仕込み日や使用期限を記載したラベルを貼ることも効果的です。

誰が見ても使用期限が分かる状態にしておけば、スタッフが変わっても管理しやすくなります。

さらに、営業終了後に冷蔵庫や冷凍庫の在庫を確認する習慣を付けることで、翌日の仕込みや発注計画も立てやすくなります。

「在庫がどこに何個あるのか分からない」という状態は、重複発注や食材の劣化を招く原因になります。
利益率の高い店舗ほど、在庫管理を特別な仕事ではなく、毎日のルーティンとして取り組んでいます。

わずか10分程度の確認作業でも、一年間を通して見ると大きなコスト削減につながるでしょう。

●食品ロス削減は環境対策だけではなく経営改善でもある

近年は食品ロス削減が社会的な課題として注目されています。

もちろん、環境への配慮という意味でも重要ですが、飲食店経営においては利益率改善という大きなメリットがあります。

廃棄量が減れば、仕入れコストだけでなく、ごみ処理費用の削減にもつながります。
さらに、仕込み量が適正になることで、スタッフの作業時間も短縮されます。

つまり、一つの改善が複数のコスト削減につながるのです。
利益率の高い店舗では、「食材を仕入れた瞬間から利益を生むための管理」が始まっています。

仕入れ、保管、調理、提供までの流れを見直し、一つでも無駄を減らすことが、安定した経営への第一歩です。

「売上を増やすこと」だけに目を向けるのではなく、「今ある利益を守る」という視点を持つことで、店舗経営はより強いものになるでしょう。

■ 利益率が高いお店は「数字を見る習慣」がある

飲食店経営では、「今日は忙しかった」「最近お客様が増えている気がする」といった感覚で営業状況を判断してしまうことがあります。

もちろん、現場の感覚はとても大切です。
しかし、利益率の高い店舗ほど、感覚だけに頼らず「数字」をもとに経営判断をしています。

売上だけを見て安心していると、原価や人件費、光熱費の増加に気付かず、「売れているのに利益が残らない」という状況に陥ってしまうこともあります。

だからこそ、利益を安定して残している経営者は、毎日、毎週、毎月の数字を確認し、小さな変化を見逃しません。

数字を見る習慣は、難しい経営分析をすることではなく、「お店の健康状態を毎日確認すること」と考えると分かりやすいでしょう。

ここでは、利益率アップにつながる数字の見方をご紹介します。

●毎日確認したいのは売上だけではない

営業が終わると、多くの経営者はその日の売上を確認します。
もちろん売上は重要ですが、それだけでは経営の良し悪しは判断できません。

例えば、昨日より売上が増えていても、

×原価率が高かった
×アルバイトを多く入れすぎた
×廃棄ロスが増えた
×値引き販売が多かった

という状況であれば、利益は減っている可能性があります。
利益率の高い店舗では、毎日次のような数字を確認しています。

☐売上
☐客数
☐客単価
☐原価
☐人件費
☐廃棄量
☐テイクアウトやデリバリーの売上比率
☐キャッシュレス決済比率

これらを毎日記録しておけば、小さな変化にもすぐ気付くことができます。

例えば、客数は変わらないのに客単価だけが下がっている場合は、注文内容やメニュー構成に原因があるかもしれません。

逆に、客数は減っても客単価が上がれば、利益率は改善している可能性があります。
数字は、お店が発する大切なサインです。

そのサインを見逃さないことが、利益率アップへの第一歩になります。

●毎月確認したい経営指標を決める

毎日の数字だけでは見えない変化もあります。
そのため、月単位で経営状況を振り返ることも重要です。

利益率の高い店舗では、毎月同じタイミングで経営数字を確認する習慣があります。
特に注目したいのが次のような項目です。

☐売上総利益
☐営業利益
☐原価率
☐人件費
☐FL比率
☐光熱費
☐家賃比率
☐広告宣伝費
☐設備修理費

この中でも特に飲食店で重要視されるのが「FL比率」です。
FL比率とは、Food(食材費)とLabor(人件費)を合わせた割合のことです。

この割合が高くなりすぎると、売上が増えても利益は残りにくくなります。
例えば、食材価格が上昇しているにもかかわらず販売価格を見直していなければ、原価率は徐々に悪化します。

また、人手不足だからといって必要以上にシフトを増やしてしまうと、人件費率も上昇します。
こうした変化は、一日単位では気付きにくいものです。

だからこそ、毎月数字を比較しながら、「先月より良くなった点」「悪くなった点」を確認することが大切です。
数字を継続的に見ることで、利益率の変化にも早く対応できるようになります。

●利益率を改善するにはメニューの見直しも欠かせない

利益率は、一度改善すれば終わりではありません。
食材価格は季節や社会情勢によって変動し続けます。

そのため、利益率の高い店舗では、定期的にメニュー内容を見直しています。
例えば、

▶価格は適正か
▶原価が上がっていないか
▶注文数は減っていないか
▶調理時間が長くなっていないか
▶利益率は維持できているか

こうした視点でメニューを確認することで、利益が出にくくなった商品を早めに改善できます。
また、人気が落ちた商品を思い切って入れ替えることも大切です。

長年販売している商品でも、お客様のニーズが変われば注文数は減少します。
反対に、季節限定メニューや新商品を取り入れることで、新たな利益源になることもあります。

さらに、セットメニューや追加注文を促しやすいサイドメニューを充実させることで、一組当たりの利益額を高めることも可能です。

利益率アップとは、「値上げをすること」だけではありません。
お客様に満足していただきながら、利益を確保できるメニュー構成を考え続けることが重要なのです。

●現場の改善を数字で確認する習慣を持つ

例えば、

▶厨房レイアウトを変更した
▶新しい厨房機器を導入した
▶仕込み方法を変更した
▶メニューを見直した

このような改善を行った場合、「何となく良くなった気がする」で終わらせてはいけません。
改善前と改善後を数字で比較することが重要です。

例えば、

☐調理時間は何分短縮できたのか
☐人件費はどれくらい削減できたのか
☐廃棄量は減ったのか
☐客単価は上がったのか
☐利益率は改善したのか

これらを確認することで、その改善が本当に効果的だったかどうかが分かります。

利益率の高い店舗では、「改善して終わり」ではなく、「結果を確認して次の改善につなげる」というサイクルを繰り返しています。

この積み重ねこそが、長く利益を残し続ける店舗をつくる秘訣です。

●利益率アップは一つの改善では実現できない

利益率を高めるための特効薬はありません。
しかし、

◎利益が残るメニューを育てる
◎厨房機器を見直す
◎仕込み時間を短縮する
◎食品ロスを減らす
◎数字を継続して確認する

こうした改善を一つずつ積み重ねることで、利益率は着実に向上していきます。
大切なのは、一度に大きく変えようとすることではありません。

「昨日より少し良くする」という意識で、小さな改善を続けることです。
飲食店経営は、毎日の積み重ねが一年後、三年後、五年後の大きな差になります。

利益率の高い店舗は、特別なことをしているわけではありません。
日々の数字を確認し、現場を改善し続ける姿勢こそが、安定した経営を支えているのです。

■よくある質問|(Q&A)

Q: 利益率を上げるには、まず何から始めればよいですか?

A:最初におすすめしたいのは、メニューごとの利益を把握することです。売上が高い商品と利益が高い商品は必ずしも一致しません。販売価格や原価、注文数を一覧にして確認すると、改善すべきポイントが見えてきます。

Q: 利益率を上げるためには値上げが必要ですか?

A:必ずしも値上げだけが方法ではありません。食品ロスの削減や仕込み時間の短縮、厨房レイアウトの改善、省エネ性能の高い厨房機器の導入など、コストを抑える取り組みでも利益率は改善できます。お客様の満足度を維持しながら利益を増やす方法を考えることが重要です。

Q: 小さな飲食店でも利益率を改善できますか?

A:はい、十分に可能です。むしろ小規模店舗は経営者と現場の距離が近いため、改善した内容がすぐに成果へつながりやすいというメリットがあります。毎日の仕込みや発注方法、在庫管理を見直すだけでも利益率は大きく変わることがあります。

Q: 厨房機器を買い替えるタイミングはいつがよいのでしょうか?

A:故障してからではなく、修理費用や光熱費が増え始めたタイミングが一つの目安です。古い厨房機器は消費電力が高く、故障リスクも高まります。ランニングコストまで含めて比較すると、新しい機器へ更新した方が結果的に利益率の改善につながる場合も少なくありません。

Q: 利益率を維持するために毎月確認したい数字は何ですか?

A:売上だけでなく、原価率、人件費率、FL比率、客単価、客数、廃棄量、光熱費などを継続的に確認することが大切です。数字の変化を早く把握できれば、利益率が悪化する前に対策を講じることができます。

■まとめ|利益率アップは「売上を増やす」より「利益を残す仕組みづくり」が重要

飲食店経営では、売上が伸びているにもかかわらず、「思うように利益が残らない」と悩む経営者は少なくありません。

しかし、利益率の高い店舗は、特別な経営手法を取り入れているわけではなく、日々の小さな改善を積み重ねています。

例えば、

▶利益率の高いメニューを育てること、
▶厨房機器を適切なタイミングで見直すこと、
▶仕込み時間を短縮して人件費を抑えること、
▶食品ロスを減らして食材を最後まで使い切ること、
▶売上だけではなく原価率や人件費率などの数字を継続的に確認すること

です。

これらは一つひとつを見ると小さな取り組みに思えるかもしれません。
しかし、毎日積み重ねることで一年後には大きな利益の差となって表れます。

また、利益率アップはコスト削減だけを目的にするものではありません。
作業効率が向上すればスタッフの負担が軽減され、サービス品質の向上にもつながります。

食材を無駄なく使い切ることは、環境への配慮だけでなく経営の安定にも貢献します。

そして、利益に余裕が生まれることで、新しいメニュー開発や設備投資、人材育成など、店舗のさらなる成長へ投資することも可能になります。

これからの飲食店経営では、「売上を追いかける経営」から、「利益をしっかり残す経営」へと考え方を変えることがますます重要になります。

ぜひ今回ご紹介した内容の中から、一つでも実践できることに取り組んでみてください。

その小さな改善の積み重ねが、利益率の向上につながり、お客様に長く愛される飲食店づくりへの大きな一歩となるはずです。

今回の記事が、利益率アップを目指す皆さまの店舗経営に少しでもお役に立てれば幸いです。

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