12月は忘年会やクリスマス、年末の買い出しなどで来店が増えやすく、飲食店にとって売上を伸ばす機会が多い時期です。一方で、スタッフの希望休や帰省、学業・家庭の予定が重なり、必要な人数を確保できずにシフト作成が難航することもあります。
人手が足りないからといって、残ったスタッフに負担を集中させると、疲労や接客品質の低下、急な欠勤につながるおそれがあります。大切なのは、通常月と同じ営業体制にこだわらず、繁忙日や時間帯に合わせて人員配置と業務内容を見直すことです。
この記事では、12月のシフトが組めない飲食店に向けて、繁忙期を乗り切るための7つの対策を紹介します。人員配置の考え方から営業時間・メニューの調整、短期スタッフの活用まで、現場で実践しやすい方法をまとめます。
目次
12月に飲食店のシフトが組めなくなる理由
12月は、通常月とは異なる事情によってシフトに必要な人数を確保しにくくなります。まずは、どのような理由で人手が不足するのかを整理しておきましょう。
忘年会やイベントで業務量が増える
12月は忘年会やクリスマスなどのイベントが続き、普段より来店客数が増える店舗があります。特に居酒屋や焼肉店、宴会に対応するレストランでは、予約が集中する日や時間帯にスタッフが必要です。
来店客数が増えると、接客や調理だけでなく、予約管理、配膳、片付け、会計などの作業も増加します。通常の人数で営業しようとすると、料理の提供が遅れたり、テーブルの片付けが追いつかなくなったりする可能性があります。
スタッフの休暇希望が重なる

年末は帰省や旅行、家族行事などで休暇を希望するスタッフが増えやすい時期です。学生アルバイトは冬休みや試験、社会人スタッフは家庭の予定など、それぞれ事情があります。
希望休が同じ日に集中すると、特定の曜日や時間帯だけ人員が不足することもあります。特に、クリスマスや大晦日、年末の週末などは、出勤できるスタッフが限られる場合があります。
採用や教育が繁忙期に間に合わない
人手不足を補うために新しいスタッフを募集しても、応募から採用、研修、実際の勤務までには時間がかかります。
繁忙期に入ってから採用活動を始めると、仕事を覚える前に忙しい営業を迎えてしまう可能性があります。新人スタッフの教育を担当する既存スタッフにも負担がかかるため、採用した人数がそのまま即戦力になるとは限りません。
12月のシフトが組めない飲食店が実践したい7つの策
シフト不足を解消するには、単純に出勤人数を増やすだけでなく、必要な人員を見極め、限られた人数で営業できる仕組みを整えることが重要です。
1. 日別・時間帯別に必要な人数を見直す
最初に取り組みたいのが、日別・時間帯別の必要人数の見直しです。
12月だからといって、毎日同じ人数を配置する必要はありません。前年の売上や来客数、予約状況を確認し、混雑が予想される日と比較的落ち着く日を分けて考えましょう。
例えば、次のように営業状況を整理します。
| 日・時間帯 | 想定される状況 | シフトの考え方 |
|---|---|---|
| 平日のランチ | 通常に近い来店数 | 基本人数を配置 |
| 平日のディナー | 忘年会予約が集中 | 接客・調理スタッフを増員 |
| 金曜日のディナー | 宴会やグループ利用が多い | ピーク時間に重点配置 |
| クリスマス前後 | 店舗や業態によって需要が変化 | 予約数を基準に調整 |
| 年末最終営業日 | 営業時間や客層が変わる | 営業内容に合わせて配置 |
必要人数を決める際は、ホールとキッチンを分けて考えることも大切です。ホールの人数が足りていても、調理担当が不足すれば料理の提供が滞ります。
また、ピーク時間だけ人員を増やし、開店準備や閉店作業の時間帯は必要最小限にするなど、勤務時間を細かく調整すると、過剰な人件費を抑えやすくなります。
2. 希望シフトの提出期限を早める
12月のシフトをスムーズに作るには、通常月より早い段階でスタッフの予定を把握しておく必要があります。
例えば、11月上旬から中旬までに希望シフトを提出してもらい、11月中に仮シフトを作成します。その後、予約状況や不足人数を確認して調整すれば、直前になって欠員が判明するリスクを減らせます。
希望シフトを集める際は、単に出勤できる日だけでなく、次の情報も確認すると便利です。
・出勤できる日と時間帯
・出勤できない日
・勤務時間を延長できる日
・短時間勤務なら対応できる日
・年末年始の出勤可否
特に、普段は出勤できない曜日でも、短時間であれば勤務できるスタッフがいるかもしれません。本人の希望を確認したうえで、勤務可能な時間帯を柔軟に組み合わせましょう。
ただし、希望休を一方的に変更したり、出勤を強制したりするのは避ける必要があります。スタッフの事情を確認しながら、無理のない範囲で調整することが大切です。
3. 短時間勤務や時間帯限定の募集を行う
フルタイムで働けるスタッフが見つからない場合は、短時間勤務や特定の時間帯に限定した募集を検討しましょう。
例えば、ディナーのピーク時間だけ働けるスタッフや、洗い場・片付けを担当するスタッフを募集する方法があります。
| 募集する勤務形態 | 主な仕事内容 | 活用しやすい時間帯 |
|---|---|---|
| ランチ限定 | 配膳、注文、片付け | 11:00〜14:00 |
| ディナー限定 | 接客、配膳、調理補助 | 17:00〜21:00 |
| 洗い場限定 | 食器洗浄、整理 | 18:00〜22:00 |
| 開店準備限定 | 仕込み、清掃、備品準備 | 開店前 |
| 閉店作業限定 | 清掃、片付け、締め作業 | 閉店前後 |
勤務時間や仕事内容を具体的に示すと、応募する側も働くイメージを持ちやすくなります。
また、短時間勤務であれば、学生や副業を希望する人、家事や育児の合間に働きたい人などにも募集を届けられる可能性があります。
4. 繁忙期限定の手当や待遇を用意する
12月の出勤協力を得るために、繁忙期限定の手当や待遇を設ける方法もあります。
実際に、2025年の年末人手不足に関する企業調査では、年末の人材確保策として「時給や待遇を一時的にアップする」「既存スタッフに追加出勤を依頼する」などが多く実施されていました。
具体的には、次のような方法が考えられます。
・12月の特定日に時給を上げる
・繁忙日への出勤に特別手当を支給する
・一定の勤務回数を満たした場合に手当を支給する
・食事補助や交通費などの待遇を見直す
・年末の勤務協力に対して感謝を伝える
ただし、手当を設ける場合は、対象日や支給条件を明確にしておきましょう。特定のスタッフだけが不公平に感じないよう、適用条件を事前に共有することも重要です。
追加出勤を依頼する場合も、本人の意思を確認し、勤務時間や休憩、休日などの労務管理を適切に行う必要があります。
5. 業務を標準化して新人や応援スタッフを活用する
繁忙期に短期スタッフや他店舗からの応援を受け入れる場合、業務を教える時間がかかると、かえって現場の負担が増えることがあります。
そのため、普段から作業手順を整理し、経験の浅いスタッフでも対応できる業務を増やしておくことが大切です。
例えば、次のような作業はマニュアル化しやすい業務です。
・開店前の清掃や備品の準備
・テーブルの片付けとセッティング
・食器や調理器具の洗浄
・ドリンクの作成
・料理の配膳や下げ膳
・閉店後の清掃や整理整頓
写真付きの手順書やチェックリストを用意しておけば、口頭説明だけに頼らずに教育できます。
また、応援スタッフには、最初から複数の業務を任せるのではなく、担当する作業を限定する方法も有効です。例えば、洗い場や配膳など、比較的短時間で習得できる業務を任せると、既存スタッフが調理や接客に集中しやすくなります。
厚生労働省の働き方・休み方改善ポータルサイトでも、繁忙期に外部人材を活用する際の課題として、業務の標準化や手順書の作成が紹介されています。
6. メニューや作業工程を絞って提供効率を高める
人手が不足しているときは、通常どおりのメニューをすべて提供することが難しくなる場合があります。そのような場合は、繁忙期限定でメニューや作業工程を見直す方法があります。
例えば、仕込みに時間がかかる料理や注文が集中すると提供に時間がかかる商品を一時的に絞り、調理工程を簡素化します。
具体的には、次のような工夫が考えられます。
・宴会コースを中心に予約を受け付ける
・仕込みをまとめて行えるメニューを増やす
・提供に時間がかかる料理を一時的に休止する
・ドリンクメニューを整理する
・盛り付けやトッピングの工程を統一する
・注文や会計の方法を簡略化する
ただし、メニューを減らす場合は、事前に店頭や予約サイトなどで案内しておきましょう。来店してから注文できない商品が多いと、お客様の満足度が下がる可能性があります。
提供スピードだけでなく、売上や原価率も確認しながら、繁忙期に適したメニュー構成を検討することが大切です。
7. 営業時間や営業日を見直す
どうしても必要な人員を確保できない場合は、営業時間や営業日そのものを見直すことも選択肢の一つです。
例えば、ランチ営業を休止してディナーに人員を集中させたり、閉店時間を通常より早めたりする方法があります。
| 見直し方法 | 具体例 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| ランチ営業の休止 | ディナーのみ営業 | 人員を夕方以降に集中できる |
| 営業時間の短縮 | 閉店時間を1時間早める | 閉店作業の負担を軽減できる |
| 定休日の変更 | 繁忙日以外に休業する | 出勤可能な日に人員を集中できる |
| 予約制の導入 | 宴会やコースを予約優先にする | 来客数を予測しやすくなる |
| 一部時間帯の休止 | アイドルタイムを閉店する | 人件費や光熱費を抑えやすい |
営業日や営業時間を変更すると、売上機会が減る可能性もあります。しかし、人員不足のまま営業を続けて料理の提供や接客に支障が出るより、対応できる範囲に営業を調整したほうが、結果的に顧客満足度やスタッフの負担を守れる場合があります。
変更を決めたら、店頭の張り紙やホームページ、SNS、Googleビジネスプロフィールなどで早めに告知しましょう。
食器洗浄機 アンダーカウンタータイプ 単相100VTBDW-400FU1

タオルウォーマー 7.5L 前開き扉 TBTW-25M

シフト不足を防ぐために確認したいこと
7つの対策を実施する際は、次の項目を確認しておくと、シフト作成や営業準備を進めやすくなります。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 売上・来客予測 | 前年の売上、曜日別の来客数、予約状況 |
| 希望シフト | 希望休、出勤可能日、勤務可能時間 |
| 必要人数 | ホール・キッチン別の必要人数 |
| 採用状況 | 応募者数、採用予定、研修の進み具合 |
| 人件費 | 予定労働時間、繁忙期手当、売上とのバランス |
| 業務分担 | 新人や応援スタッフに任せられる作業 |
| 営業体制 | 営業時間、定休日、メニューの変更 |
| 告知 | 営業時間や提供メニューの変更を伝えたか |
特に、シフトを確定した後も予約状況やスタッフの出勤可否を確認し、必要に応じて調整することが大切です。
12月のシフト作成で注意したい労務管理
繁忙期は人手を確保することに意識が向きがちですが、労務管理にも注意が必要です。
長時間労働や休憩不足を防ぐ
出勤できるスタッフが限られているからといって、同じ人に長時間勤務を集中させるのは避けましょう。
労働時間や休憩、休日については、労働基準法などのルールに沿って管理する必要があります。特に、法定労働時間を超える時間外労働や休日労働を行わせる場合は、36協定など必要な手続きを確認してください。
追加出勤は本人の意思を確認する
既存スタッフに追加出勤を依頼する場合は、勤務できるかどうかを本人に確認しましょう。繁忙期だからといって、希望休を一方的に取り消したり、出勤を強制したりすることは適切ではありません。
また、追加勤務によって労働時間や休憩時間に問題が生じないよう、シフト全体を確認することが重要です。
繁忙期の後に休息を確保する
12月の勤務が増えたスタッフには、繁忙期が終わった後の休息も必要です。年末年始の営業が落ち着いた時期に休みを取りやすくするなど、長期的な働きやすさにも配慮しましょう。
まとめ|12月のシフト不足は人員配置と営業方法の見直しで対応する

12月は忘年会やクリスマスなどで業務量が増える一方、スタッフの休暇希望も重なり、飲食店ではシフトを組みにくくなることがあります。
繁忙期を乗り切るためには、必要人数を時間帯別に見直すことに加え、希望シフトの早期回収、短時間勤務の募集、繁忙期手当、業務の標準化などを組み合わせることが大切です。
人員を確保できない場合は、メニューや営業時間、営業日を見直すことも検討しましょう。通常どおりの営業にこだわらず、限られた人数で無理なく対応できる体制を整えることが、スタッフの負担軽減と安定した店舗運営につながります。

※独立・開業に至るまでの経緯やとっておきの裏話、成功の秘話などを独占インタビュー!上記ボタンをクリックし、他店舗店主のヒストリーもぜひご覧ください。





