【飲食業界誌スマイラー】Cover Girls Outtake 125「鰻 才谷や 八尾店」

店主の声

鰻(うなぎ)の焼き方は、東日本と西日本で異なる。東日本は、背開きにした身を一度蒸してから焼く関東風。それに対して西日本は腹開きにした身を直火でじっくりと焼く関西風。大阪は当然関西風に焼く鰻屋がほとんど。しかし大阪府八尾(やお)市にある「才谷(さいたに)や」は関東風の鰻の提供をしている。今回はお店を1人で切り盛りする浪井(なみい)さんに話を聞いた。

お酒と音楽が大好きな浪井さん

浪井さんは2022年に才谷やで働くようになるまでは、歯科衛生士だったそう。しかし、毎日がマンネリ化していき、転職を考えるようになった。「飲食店に携わったことがなくて、興味があったんです。実際に働き始めたら、いろんな人が毎日お店に来て、お話を聞かせてくれて、新鮮でした。スタッフの入れ替わりもあって、あれよあれよといううちに店長になっていましたね。」と経緯を教えてくれた。

そんな浪井さんが店を運営する中でもっとも大切にしていることは、「人との距離感」なんだそう。「ひとりひとりの様子を見て、接し方を探っています。みんながみんな話しかけて欲しい訳じゃないですからね。」と浪井さん。そういった気遣いを心地良く、リピーターも多いようだ。「3年ほどやっていると、ご近所の夫婦や、サラリーマンがご褒美として定期的に来店してくださいます。気に入ってくださっていることが伝わると、励みになりますね。」と。

近所のゲームセンターで、この鰻のおもちゃを発見して、頑張って獲った浪井さん

さらに、SNSを始めたことでその客層が広がったそうだ。「オーナーさんから、SNSをやるよう頼まれて、TikTokをメインに短い動画を投稿しています。最初は単価の高い鰻とTikTokの親和性はないように感じていました。でもオーナーが『意外と年齢層の高い人も見ているから!』と言うので、投稿を続けていました。すると、実際に東京や愛知など遠方から『動画を見て来ました』と来店くださいました。しかも中には定期的に来てくださる方もいらっしゃるんです。SNSの力には驚かされましたね!」と嬉しそうだ。

鰻 才谷や 八尾店の外観

才谷やが提供しているうな重を実際に食べてみると、遠方からわざわざ来店するのも納得。箸で持っただけでほどけてしまうほど身が柔らかい。まるで「飲める鰻」。タレは堺市の大醤(だいしょう)株式会社に依頼して作っているこだわりの甘辛ダレ。しょうゆの風味をしっかりと感じるタレが、とろっとろの鰻にたっぷり絡んでいて米が進む。ビールとの相性も良さそうだ。

一品で提供している鰻の肝串も味わってほしい。肝のほろ苦さと、しょうゆダレの相性が抜群で、こちらもビールや麦焼酎との相性は抜群だろう。

うな重 特上2990円(取材時)

浪井さんは「まだまだ『こんなところに、鰻屋さんがあったんだね』と言われてしまうほど、知名度はありません。でも、八尾といえば才谷やと覚えてもらえることが、今の目標です!」と意欲を見せる。ぜひ、才谷やへ行ってみてください!

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Photographer:後藤 華子
name:浪井さん
shop:「鰻 才谷や 八尾店」
大阪府八尾氏山本町南4丁目1-3

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