下町情緒があふれる日本橋人形町。旅の風情が漂う「キハ」のカウンターに立つ聖香(きよか)さんにとって、鉄道好きであろうとなかろうと、お客様はお客様だ。マニアックな話題で盛り上がるときは、客同士の会話を静かに見守る。どんな人でもここちよく過ごせる空気をつくり出している。
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平日と土曜、ふたつの表情

曜日によって店の表情は自然と変わる。平日は、近隣のオフィス街で働く人々が仕事帰りに羽を休めに訪れる。いっぽう、土曜になると、平日には足を運べない常連たちが、遠方からもこの場所を目指して集まってくる。聖香さんがこの店で働くようになったのは、客として飲みに来ていたときに声をかけられたことがきっかけだった。カウンターの向こう側に立場が変わっても、人との向き合い方は変わらない。コロナ禍の時短営業やパーテーション設置といった難しい時期も、仲間とともに一つひとつ乗り越えてきた。
飲み放題でもお酒は妥協はしない

飲み放題の店でありつつ、提供するお酒はどれもしっかり選んだラインナップだ。その幅広さに、店のプライドが表れている。聖香さん自身もお酒が大好きで、なかでも芋焼酎がいちばんだそうだ。店も聖香さんも納得できる質のよい酒を出すという。
小さなやりとりが日常になる

常連が旅先で見つけた酒を手土産に持ってくる。カウンター越しに旅の話が始まる。そんな小さなやりとりが、いつしかこの店の日常になっている。オフィス街の平日も、遠方から常連が集う土曜も、カウンターには穏やかな時間が流れている。
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Photographer:林 りりす
name:聖香
shop:「キハ」
東京都中央区日本橋堀留町1丁目6−11
03-5651-5088




