秋の味覚を代表する魚の一つが「さんま」です。
塩焼きにして大根おろしと一緒に食べたり、炊き込みご飯や蒲焼きにしたりと、秋になると食卓に登場する機会が増えます。
ところが2026年は、さんまの価格が高くなっています。
背景にあるのが、さんまの不漁です。
2026年7月に水産庁が発表した長期漁海況予報では、8月から12月にかけてのさんまの来遊量は、前年の水準を下回る見通しとなっています。水産研究・教育機構の資料では、2026年に日本近海へ来遊するさんまの量は42.9万トンと推定され、前年の109.9万トンから大幅に減少する見込みです。
実際に市場でも高値が目立っています。
2026年8月には岩手県大船渡港で今季初めてさんまが水揚げされ、1kgあたり2,500~2,800円と前年の2倍以上の価格で取引されたとの報道もあります。
今回は、2026年のさんまがなぜ値上げ・高騰しているのか、漁獲量が減っている理由、サイズの変化、今後価格が安くなる可能性などについて詳しく紹介します。
目次
2026年のさんまはなぜ値上げしている?
2026年のさんまが高くなっている最大の理由は、漁獲量が少なく、流通するさんまの数が減っていることです。
魚は、漁獲量が多ければ市場に出回る量も増え、価格が下がりやすくなります。
反対に、漁獲量が少なくなると市場への入荷量が減るため、需要に対して供給が追いつかず、価格が上がりやすくなります。
2026年のさんまについて、水産庁は8月から12月の来遊量が前年を下回ると予測しています。さらに、漁獲物に占める1歳魚の割合や、1歳魚の体重も前年を下回る見通しです。
つまり今年は、
・そもそも来遊するさんまが少ない
・大きなさんまが少なくなる可能性がある
という二つの要因が重なっています。
そのため、スーパーや飲食店でも仕入れ価格が上がりやすい状況になっています。
さんまの来遊量はどれくらい減る?
2026年のさんまの価格を考えるうえで重要なのが、「どれくらい魚が少なくなっているのか」です。
水産研究・教育機構による資料では、2026年に日本近海へ来遊するさんまの量は42.9万トンと推定されています。
前年の推定値は109.9万トンなので、単純に比較すると大幅な減少です。
また、2026年の推定量は、2003年に調査が始まって以降で最も少ない水準になると報じられています。
さんまは日本の秋の食卓で長く親しまれてきた魚ですが、近年は以前のように大量に獲れる魚ではなくなっています。
2026年はその傾向がさらに強く表れる年となっています。
さんまが不漁になっている理由は?
さんまの不漁には、資源量の減少や回遊経路の変化など、複数の要因が関係しています。
水産研究・教育機構によると、日本のさんま水揚げ量は2014年の約22万トンから2025年には約6万トンまで大きく減少しています。その背景として、気候変動によるさんま資源の減少や、回遊経路の変化による漁場の遠隔化が挙げられています。
さんまは海の中を広く回遊する魚です。
そのため、日本近海に魚群がどの程度来るのかによって、国内の漁獲量が大きく変わります。
2026年の予報でも、8月から9月にかけては北海道からウルップ島東方沖の公海を中心に小規模な魚群が来遊し、10月にはさらに西側の公海を中心に魚群が来遊するとされています。
漁場が日本の沿岸から遠くなれば、漁船の移動距離が長くなります。
その結果、燃油費などの漁業コストも増えやすくなります。
実際、水産研究・教育機構も、漁場の遠隔化によって大型さんま漁船の往復航が長くなり、燃油費がかさむことを課題として挙げています。
2026年はさんまのサイズも小さい?
2026年は、漁獲量だけでなく魚体の大きさも注目されています。
水産庁の長期予報では、漁期を通じた1歳魚の割合が前年を下回り、1歳魚の体重も前年を下回る見通しです。
一方、すべての地域で小型のさんましか獲れないというわけではありません。
実際、8月に山形市公設卸売市場で行われた初競りでは、北海道産のさんまについて「脂乗りが良く、サイズも大きい」と市場関係者が評価した例もあります。
そのため、「2026年のさんまはすべて小さい」と一括りにするのは適切ではありません。
漁場や時期、入荷する魚によって、サイズや脂の乗り具合には違いがあります。
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さんまの値段は実際にどれくらい上がっている?

2026年8月には、各地で前年より高い価格でさんまが取引されています。
岩手県大船渡港では8月17日に今季初めてさんまが水揚げされ、1kgあたり2,500~2,800円と前年の2倍以上の価格になりました。
また、東京都の豊洲市場では9月4日の販売結果で、北海道・三陸産の生さんまについて、1kgあたりの卸売価格が7,560円、安値864円、中値1,944円となっています。市場では北海道産などのさんまが1~3割下落したとの記録もあります。
このように、さんまの価格は常に一定ではありません。
水揚げ量が増えれば相場が下がることもあります。
実際、9月に入ってから豊洲市場ではさんまの相場が下落した日も確認できます。
そのため、「今年は不漁だから、これからずっと高い」とは限りません。
さんまの初競りでは驚きの高値も
2026年のさんま価格を象徴するニュースとなったのが、7月の初競りです。
北海道釧路市の市場では、1kgあたり44万円という価格が付けられました。
これは過去最高値だった前年の25万円を上回る価格です。
また、札幌市でも1kgあたり111万2,000円という史上最高値が付いたと報じられています。
ただし、こうした初競りの価格は、シーズン序盤の非常に限られた数量に付く特別な価格です。
普段スーパーで購入するさんまの価格と、そのまま比較することはできません。
初競りの高値は「さんま全体が1匹何万円になった」という意味ではなく、初物として希少価値が付いたものと考える必要があります。
さんまは今後安くなる?

「高いさんまをいつまで我慢すればいいのか」と気になる人も多いでしょう。
さんまの価格は、今後の水揚げ量によって変動する可能性があります。
2026年9月上旬の市場では、さんまの相場が下落した記録もあります。豊洲市場では9月4日に北海道産などのさんまが1~3割下落しました。
また、9月4日に放送されたNHKの報道では、さんまの水揚げ量は前年同時期より大幅に少ないものの、専門家から「9月下旬ごろには水揚げ量が増えて求めやすい価格になる可能性」が示されています。
ただし、これは今後の漁模様によって変わります。
水産庁の長期予報自体は、8月から12月の来遊量が前年を下回る見通しとしているため、2026年は年間を通してさんまが安定して安くなると断定することはできません。
「9月下旬以降に水揚げが増える可能性はあるものの、不漁という大きな状況は続いている」という見方が適切でしょう。
さんまの価格上昇は、家庭だけでなく飲食店にも影響します。
特に、さんまの塩焼きや刺身、さんま定食など、さんまそのものを主役にしたメニューでは、仕入れ価格の変動がそのまま原価に影響します。
2026年9月には、さんま料理を提供する飲食店で、前年より仕入れ価格が3~4割高くなっているとの報道もあります。
飲食店にとっては、単純に販売価格を引き上げるだけでなく、
・仕入れ時期を調整する
・サイズや仕入れ先を見直す
・定食の副菜を工夫する
・期間限定メニューとして提供する
・原価率を確認して販売価格を設定する
といった対応も重要になります。
秋の季節メニューとしてさんまを扱う飲食店にとって、2026年は仕入れ状況をこまめに確認したい年といえるでしょう。
高いさんまを少しでもおいしく食べるには?
価格が高いときほど、購入したさんまをおいしく食べたいものです。
定番はやはり塩焼きです。
さんまを焼く前に表面の水分をキッチンペーパーなどで拭き取り、塩を振って少し置いてから焼くと、表面の水分を整えやすくなります。
大根おろしやすだち、かぼすなどを添えれば、脂の乗ったさんまをさっぱりと味わえます。
また、塩焼きだけでなく、蒲焼きや炊き込みご飯、煮付けなどにもできます。
サイズが小さめのさんまなら、丸ごと焼くだけでなく、身をほぐしてご飯やパスタなどに利用するのも一つの方法です。
2026年のさんまは「高いけれど品質にも注目」
2026年のさんまは、漁獲量の減少によって価格が高くなっています。
水産庁は2026年8月から12月のさんまの来遊量について、前年を下回ると予測しています。また、1歳魚の割合や体重も前年を下回る見通しです。
一方で、実際の市場では9月に入って相場が下落した日もあり、今後の水揚げ状況によって価格が変わる可能性があります。
そのため、2026年のさんまについては「ずっと高値が続く」と決めつけるのではなく、旬の時期の水揚げ量や市場価格を確認しながら購入することが大切です。
今年は例年より少し高価な秋の味覚になる可能性がありますが、脂の乗ったさんまを味わえる時期でもあります。
価格だけに注目するのではなく、魚体の大きさや鮮度、脂の乗りなども確認しながら、秋ならではの味覚を楽しみたいところです。
まとめ

2026年のさんまは、前年よりも高値で取引される場面が目立っています。
主な理由は、さんまの来遊量が少なく、漁獲量が減少しているためです。
水産庁の長期漁海況予報では、2026年8月から12月のさんまの来遊量は前年を下回る見通しとなっています。水産研究・教育機構の推定では、2026年の来遊量は42.9万トンとされ、前年の109.9万トンから大幅に減少する見込みです。
さらに、気候変動による資源量の減少や回遊経路の変化によって、漁場が遠くなり、漁業にかかるコストが増えていることも課題となっています。
2026年7月の初競りでは、北海道で1kgあたり44万円、札幌では1kgあたり111万2,000円という非常に高い価格も記録されました。ただし、これらは初物に付いた特別な価格で、一般的な小売価格とは区別して考える必要があります。
9月に入ってからは市場価格が下落した例もあり、今後、水揚げ量が増えれば価格が落ち着く可能性もあります。
とはいえ、2026年は不漁という大きな状況が続いているため、さんまは以前よりも価格変動が大きい魚になっています。
秋の味覚として身近だったさんまだからこそ、今年は価格だけでなく、漁獲量や資源の状況にも注目しながら味わってみてはいかがでしょうか。

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