静岡県のご当地グルメとして知られる「静岡おでん」。一般的なおでんとは異なり、黒っぽい色のだし、魚のすり身から作られる黒はんぺん、仕上げにかける青のりやだし粉など、独自の食べ方や特徴があります。
静岡市を中心に親しまれてきた静岡おでんは、地元の人々の日常食としてだけでなく、観光客にも人気のご当地グルメです。牛すじや大根、卵などの定番具材に加え、静岡ならではの食文化を感じられる点も魅力といえるでしょう。
この記事では、静岡おでんの特徴や歴史、定番の具材、おいしい食べ方、一般的なおでんとの違いなどを紹介します。
目次
静岡おでんとは?

静岡おでんとは、静岡県で親しまれているご当地おでんです。特に静岡市周辺で独自の食文化として発展し、黒いだしや串に刺した具材、青のりやだし粉をかけて食べるスタイルで知られています。
一般的なおでんは、昆布やかつお節などを使った比較的透き通っただしで煮込むものが多い一方、静岡おでんは牛すじなどから取っただしに濃口しょうゆを加え、黒っぽい色に仕上げるのが特徴です。
また、具材の多くを串に刺して煮込むため、店頭では串を選んで注文するスタイルも見られます。
静岡おでんには、次のような特徴があります。
・黒っぽい色のだしで煮込む
・黒はんぺんを具材に使う
・具材を串に刺して提供することが多い
・青のりやだし粉をかけて食べる
・牛すじや大根、卵なども定番の具材
こうした特徴が組み合わさり、静岡おでんならではの味わいや食べ方が生まれています。
静岡おでんの特徴1:黒いだし
静岡おでんを見て、まず驚くのがだしの色です。具材だけでなく、煮汁まで濃い色をしていることから、「黒おでん」と呼ばれることもあります。
この黒っぽい色には、濃口しょうゆや牛すじなどを使っただしが関係しています。
牛すじのうま味としょうゆの風味
静岡おでんでは、牛すじなどから取っただしに濃口しょうゆを加えて煮込むスタイルが知られています。
牛すじから出るうま味と、しょうゆのコクが合わさることで、深みのある味わいに仕上がります。具材を繰り返し煮込む店もあり、だしに具材のうま味が重なっていくのも特徴です。
ただし、だしの作り方や味付けは店によって異なります。甘みを感じるものや、しょうゆの風味が強いものなど、食べ比べてみると違いが分かるでしょう。
色が濃くても、しょうゆ味だけではない
静岡おでんは見た目の色が濃いため、塩辛い味を想像する人もいるかもしれません。
しかし、実際の味わいはだしの配合や煮込み方によって変わります。色の濃さだけで味の強さを判断せず、まずは一口食べて、だしのうま味や具材に染み込んだ味を楽しんでみましょう。
静岡おでんの特徴2:黒はんぺん
静岡おでんを代表する具材が「黒はんぺん」です。
一般的な白いはんぺんとは異なり、灰色がかった色をしているのが特徴です。静岡県では、焼津などで水揚げされる魚を使った練り製品としても知られています。
黒はんぺんは何からできている?
黒はんぺんは、主にサバやイワシなどの青魚を原料とする魚のすり身から作られます。
魚の身だけでなく、骨なども含めてすり身にする製法が特徴で、魚の風味やうま味を感じやすい練り製品です。
白いはんぺんがふんわりとした食感であるのに対し、黒はんぺんは比較的しっかりとした食感を楽しめます。
だしを吸った黒はんぺんのおいしさ
静岡おでんの黒はんぺんは、黒っぽいだしで煮込むことで、魚の風味とだしのうま味が合わさります。
そのまま食べるだけでなく、青のりやだし粉をかけることで、香りや味わいの変化も楽しめます。
静岡おでんを初めて食べるなら、まず黒はんぺんを注文して、一般的なはんぺんとの違いを確かめてみるのもおすすめです。
静岡おでんの特徴3:青のりとだし粉をかける
静岡おでんでは、食べる直前に青のりやだし粉をかける食べ方が親しまれています。
だし粉とは、イワシなどの魚を乾燥させて粉末にしたものなどを指し、店によって使う材料や配合が異なります。
青のりが香りのアクセントに
青のりをかけると、磯の香りが加わり、だしや具材の味わいに変化が生まれます。
濃い色のだしで煮込んだ具材に青のりの香りが重なることで、静岡おでんならではの風味を楽しめます。
だし粉でうま味をプラス
だし粉は、魚介のうま味や香りを加えるために使われます。
具材に振りかけることで、だしの味わいに香ばしさや風味が加わり、同じ具材でも違った印象になります。
青のりとだし粉を両方かけるか、どちらか一方にするかは好みによって選べます。初めて食べる場合は、店のおすすめの食べ方を試してみるとよいでしょう。
静岡おでんの定番具材

静岡おでんには、黒はんぺんのほかにも、さまざまな具材が使われています。大根や卵などの定番具材に加え、牛すじやこんにゃくなどもよく見られます。
| 具材 | 特徴 |
|---|---|
| 黒はんぺん | 魚のうま味としっかりした食感が特徴 |
| 大根 | だしが染み込み、やわらかく仕上がる |
| 牛すじ | だしにコクを加える具材としても使われる |
| 卵 | 黄身まで味が染み込んだ味わいを楽しめる |
| こんにゃく | だしを含み、独特の弾力がある |
| ちくわ | 魚のうま味と練り製品ならではの食感が楽しめる |
| さつま揚げ | 魚のすり身の風味と甘みが感じられる |
具材の種類や味付けは店によって異なります。串に刺さった具材が鍋に並んでいる店では、好きなものを選びながら食べられるのも魅力です。
大根はだしの味を楽しみやすい
おでんの定番である大根は、静岡おでんでも親しまれている具材です。
じっくり煮込むことで、だしが内部まで染み込み、やわらかな食感になります。黒っぽいだしを含んだ大根は、見た目にも静岡おでんらしさを感じられる一品です。
牛すじはコクを感じられる具材
牛すじは、具材として食べるだけでなく、だしのうま味にも関係する食材です。
長時間煮込むことでやわらかくなり、肉のうま味とだしの風味を一緒に楽しめます。店によって食感や味付けに違いがあるため、食べ比べるのもよいでしょう。
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静岡おでんと一般的なおでんの違い
静岡おでんと一般的なおでんは、同じ煮込み料理ですが、だしの色や具材、食べ方などに違いがあります。
| 比較項目 | 静岡おでん | 一般的なおでん |
|---|---|---|
| だしの色 | 黒っぽい色が特徴 | 透き通った色から薄い茶色までさまざま |
| だしの材料 | 牛すじなどのだしと濃口しょうゆを使うスタイルが知られる | 昆布、かつお節、煮干しなど多様 |
| 代表的な具材 | 黒はんぺん、大根、牛すじなど | 大根、卵、こんにゃく、練り物など |
| 提供方法 | 具材を串に刺す店が多い | 串に刺す場合も、鍋から取り分ける場合もある |
| 食べ方 | 青のりやだし粉をかける | からしなどを添える食べ方が一般的 |
| 主な地域 | 静岡県、特に静岡市周辺 | 全国各地 |
もちろん、一般的なおでんにも地域ごとの特色があります。関東や関西、名古屋などでは、だしや味付け、具材に違いが見られます。
静岡おでんは、黒いだしや黒はんぺん、青のり・だし粉という組み合わせが特徴的な、ご当地おでんの一つです。
静岡おでんの歴史
静岡おでんは、静岡市を中心に長く親しまれてきた食文化です。
戦後の静岡市では、駄菓子屋などでおでんを提供する文化が広がり、子どもから大人まで楽しめる身近な食べ物として親しまれてきたとされています。
駄菓子屋のおでんは、買い物や遊びの途中に気軽に食べられる存在でした。具材を串に刺して提供するスタイルも、食べやすさや店頭での販売と結びついています。
現在では、専門店や居酒屋などでも静岡おでんを味わえます。地元の日常食としての親しみやすさを残しながら、観光客が楽しめるご当地グルメとしても知られるようになりました。
ただし、静岡おでんの成立時期や広まり方については、地域や店によって語られ方が異なる場合があります。歴史を知る際は、地域の観光情報や資料などもあわせて確認するとよいでしょう。
静岡おでんはどこで食べられる?

静岡おでんを味わうなら、静岡市内のおでん店や、静岡おでんを提供する居酒屋などが選択肢になります。
特に静岡市の中心部には、おでんを扱う店が集まるエリアがあり、食べ歩きや飲食店巡りを楽しめます。
静岡市の「青葉おでん街」
静岡市中心部にある「青葉おでん街」は、静岡おでんを楽しめる場所として知られています。
小規模なおでん店が集まっており、店ごとの味や雰囲気を楽しみながら食事ができます。
カウンター中心の店もあるため、店主や地元の人との会話を楽しみながら食べたい人にも向いています。営業日や営業時間、席数などは店ごとに異なるため、訪問前に確認しておくと安心です。
「青葉横丁」でも静岡おでんを楽しめる
青葉おでん街と同じく、静岡市内で静岡おでんを味わえる場所として知られているのが「青葉横丁」です。
こちらにもおでんを提供する店が集まっており、店ごとの具材や味付けの違いを楽しめます。
複数の店を訪れる場合は、営業時間や定休日を事前に確認し、無理のない範囲で巡るとよいでしょう。
静岡おでんをよりおいしく楽しむポイント
静岡おでんは、具材やだし、薬味の組み合わせによって味わいが変わります。初めて食べる場合は、いくつかのポイントを意識すると楽しみやすくなります。
まずは黒はんぺんを味わう
静岡おでんらしさを知るなら、黒はんぺんは外せない具材です。
魚のうま味やしっかりした食感を楽しみながら、青のりやだし粉をかけたときの風味の変化も試してみましょう。
大根や卵などの定番具材も注文する
黒はんぺんだけでなく、大根や卵などの定番具材もおすすめです。
同じだしで煮込まれていても、具材によって味の染み込み方や食感が異なります。複数の具材を組み合わせると、静岡おでんの魅力をより幅広く味わえます。
青のりとだし粉を少しずつ試す
薬味は一度にたくさんかけるのではなく、少量から試すと、具材そのものの味と薬味の香りの両方を感じやすくなります。
店によって薬味の種類やおすすめの使い方が異なる場合もあるため、初めての店では店員さんに聞いてみるのもよいでしょう。
店ごとの違いを楽しむ
静岡おでんは、だしの配合や煮込み方、具材の種類などが店によって異なります。
一つの店で定番の具材を味わった後、別の店で違う具材や味付けを試してみると、静岡おでんの多様な魅力に触れられます。
家庭で静岡おでんを作るには?
静岡おでんは、家庭でも特徴を取り入れて作ることができます。
本場の味を完全に再現するのは難しい場合もありますが、黒っぽいだし、黒はんぺん、青のりやだし粉を用意すると、静岡おでんらしい雰囲気を楽しめます。
基本の材料
・黒はんぺん
・大根
・ゆで卵
・こんにゃく
・牛すじ
・ちくわなどの練り物
・だし
・濃口しょうゆ
・青のり
・だし粉
具材は好みに合わせて調整できます。黒はんぺんが手に入らない場合は、ほかの練り物を使う方法もありますが、静岡おでんらしさを楽しむなら黒はんぺんを用意するとよいでしょう。
作り方の流れ
- 大根は厚めの輪切りにして、下ゆでします。
- 牛すじは下処理をして、やわらかくなるまで煮込みます。
- 鍋にだしと濃口しょうゆを入れ、牛すじや大根などを加えます。
- こんにゃくや練り物、黒はんぺんなどを加えて煮込みます。
- 具材に味が染み込んだら、器に盛り付けます。
- 好みに応じて青のりやだし粉をかけて完成です。
煮込み時間や調味料の分量は、具材の量や好みの味によって調整しましょう。牛すじを使う場合は、十分に加熱してやわらかくすることが大切です。
静岡おでんに関するよくある質問
静岡おでんはなぜ黒いのですか?
牛すじなどから取っただしに濃口しょうゆを加えて煮込むスタイルが知られているためです。具材を繰り返し煮込むことで、だしの色が濃くなることもあります。味わいは店によって異なります。
黒はんぺんとは何ですか?
黒はんぺんは、サバやイワシなどの魚を原料とするすり身から作られる練り製品です。一般的な白いはんぺんとは色や食感が異なり、魚のうま味を感じやすいのが特徴です。
静岡おでんには何をかけて食べますか?
青のりやだし粉をかけて食べるのが特徴的なスタイルです。薬味の量は好みに合わせて調整でき、店によっておすすめの食べ方が異なる場合もあります。
静岡おでんはどこで食べられますか?
静岡市内のおでん専門店や居酒屋などで楽しめます。青葉おでん街や青葉横丁は、静岡おでんを味わえる場所として知られています。営業時間や定休日は店によって異なるため、訪問前に確認しましょう。
まとめ
静岡おでんは、黒っぽいだし、黒はんぺん、串に刺した具材、青のりやだし粉をかける食べ方など、独自の特徴を持つ静岡県のご当地グルメです。
黒いだしには、牛すじなどのうま味や濃口しょうゆの風味が生かされています。また、黒はんぺんはサバやイワシなどの魚を原料とした練り製品で、魚の風味やしっかりとした食感を楽しめます。
大根や卵、こんにゃく、牛すじなどの定番具材も、静岡おでんならではのだしで煮込むことで、普段のおでんとは異なる味わいになります。
静岡市を訪れるなら、青葉おでん街や青葉横丁などで、店ごとの味や雰囲気を楽しむのもおすすめです。黒はんぺんをはじめとする具材に青のりやだし粉を合わせ、静岡ならではのおでん文化を味わってみてはいかがでしょうか。

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