【企業解説】すかいらーくホールディングス 外食産業を支える国内最大級グループの戦略

飲食ニュース

“家庭でも外食でもない中間の食事体験”を提供するファミリーレストラン。すかいらーくホールディングスは、「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」「しゃぶ葉」など多彩なブランドを軸に、和洋中・しゃぶしゃぶ・ブッフェなどさまざまな業態を運営する外食大手です。2000店以上の店舗網とサプライチェーン一体型の体制を持ち、顧客の生活様式の変化に応えながら進化を続けています。

【目次】

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会社概要・基本情報

項目内容
会社名株式会社すかいらーくホールディングス
設立1962年4月4日
上場市場東証プライム(証券コード 3197)
資本金約 2,513,400 万円(約 2,513 億円)
本社所在地東京都武蔵野市西久保1-25-8
従業員数正社員 約 5,779 名、クルー(アルバイト・パート等)約 98,327 名(2024年6月末現在)
店舗数約 3,083 店舗(国内外合計、2025年1月末時点)うち直営店舗が約 98.5%
売上高約 5,574 億円(2024 年度通期)

事業構造とビジネスモデル

主力ブランドと業態

すかいらーくグループは、以下のようなブランドで幅広い業態を展開しています。

  • ガスト:ファミリーレストランのシンボル的存在
  • バーミヤン:中華料理を中心とした業態
  • しゃぶ葉:しゃぶしゃぶブッフェスタイル
  • ジョナサン:洋食・和食を取り混ぜたファミレス業態
  • その他、「夢庵」「ステーキガスト」「藍屋」「むさしの森珈琲」「から好し」「魚屋路」「グラッチェガーデンズ」「chawan」「とんから亭」など多様なブランドを傘下に持つ

サプライチェーンおよび運営体制

商品開発、食材調達、製造、物流、店舗運営までをグループで一貫して管理する体制を整えており、それによりコスト管理と品質安定を図っています。

また、店舗清掃・維持・施設管理なども子会社(すかいらーくD&M等)が担当し、店舗運営の裏側を支える体制が構築されています。

国内外展開と店舗戦略

  • 国内では約3,000店を運営しており、ほぼ全てが直営店舗。海外展開も台湾、マレーシア、米国などで展開中。
  • 中期経営計画として「新規出店(国内)」「既存店成長」「海外展開」「M&A推進」の四本柱を掲げ、成長と持続可能性を両立させる戦略を採用。

沿革のハイライト

  • 1962年、保谷市ひばりが丘団地のひもの食品店「ことぶき食品」を前身に創業。
  • 1970年、ファミリーレストラン「すかいらーく」第1号店を国立店(府中市)に出店し、本格的なファミレス経営をスタート。
  • バーミヤンやジョナサン、藍屋などのブランドを順次立ち上げ、ブランドポートフォリオを拡充。
  • 2006年に業績低迷を受けて MBO(経営陣による株式取得)を実施し、多店舗の閉店や業態転換を進めるなど、構造改革を断行。
  • 2014年に再び上場を果たし、その後は既存店強化・ブランド再構築・M&Aや外国展開などを加速。最新の中期計画では“サステナブル経営”を軸とした成長戦略を明確に打ち出している。

最近の動向・マーケットトレンド

  • コスト(原材料・人件費)の上昇を受けて、「ガスト」など主力ブランドで商品価格改定(値上げ)を実施。
  • ブランド戦略の転換も進行中。たとえば「資さんうどん」をグループ傘下に収め、既存ブランド店舗の一部を資さんブランドへ転換する動き。
  • 顧客のニーズ変化を受けて、既存店のリモデル、業態転換、店舗での体験価値向上を目指す改装やメニュー改革が進んでいる。
  • 本社を2026年秋に東京都中野区へ移転予定。グループ本社機能の集約や採用競争力の強化が目的。

強み・競争優位性

  • 海外店舗拡大・現地適応
     日本食・和食文化の人気を背景に、海外都市型出店・現地調達ルート構築を強化する可能性。
  • DX・IT導入強化
     在庫管理、発注最適化、AI予測、モデルキッチン/無人化技術導入など業務効率化を進める領域。
  • 健康・高付加価値商品開発
     高齢化・健康志向の高まりを背景に、低糖・低塩メニュー、植物性食品などの開発にも注力。
  • サステナビリティ強化
     廃棄削減、エネルギー効率化、環境負荷低減など ESG 対応は必須テーマ。
  • グループシナジー拡充
     製造・小売・物流・介護などの横断連携により、新規事業や収益源を多様化させる。

課題・リスク要因

  • 原材料・物流・エネルギーコストの高騰により収益圧迫のリスク。特に価格転嫁の限界があるため顧客離れを招く可能性。
  • 店舗運営コスト(人件費・設備維持など)の増加。直営中心ゆえにオペレーション効率化が求められる。
  • 消費者の健康志向・環境意識の高まり。メニュー・素材・店舗運営に対する期待・規制が強くなっており、対応を迫られている。
  • 地域競合・他業態競合の激化。特に低価格業態や宅配・デリバリーサービスとの競争が増してきている。
  • 海外事業の現地適応リスク。文化・物流・消費慣習の違いをクリアにする必要有。

今後の注目戦略・展望

  • 中期経営計画の柱である「新規出店」「既存店成長」「海外展開」「M&A推進」の実行力を高め、安定成長軌道を維持する。
  • ブランド構造の見直しを継続。「資さんうどん」などの強みあるブランドを活用し、顧客ロイヤルティの向上と競合との差別化を図る。
  • 店舗改装・業態転換・メニュー刷新による既存店強化で、立地・顧客層の変化に柔軟に対応。
  • デジタル・DX の深耕。POSデータ活用、マニュアル動画・教育ツール、オペレーションの効率化など。
  • サステナビリティ・ESG対応の強化。環境対応型店舗、社員・アルバイトの働き方改革、社会的責任を果たす企業としての評価向上。

まとめ

すかいらーくホールディングスは、創業から60年以上の歴史を持ち、多ブランド・多業態で培ってきたノウハウを武器に“ファミレス王者”としての地位を確立しています。
しかし、「変化の激しい外食業界」で生き残るためには、価格・コスト・顧客の価値観・働き手の環境・社会的要請など、多くの課題を乗り越える必要があります。
今後は、中期計画で示された戦略を着実に実行しながら、既存店の改革と新ブランド・新市場への挑戦を両立させることが、すかいらーくの成長の鍵になるでしょう。
「ひとりでも多くのお客様に安くておいしい料理を快適な空間で」食べてもらうというミッションを、今後もブレずに実践できるか。外食業界をリードする存在として、その動きから目が離せません。

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