なぜ青い料理は“おいしく見えない”のか?本当に食欲が減るのか?

食材・メニュー

「青いカレー」「青いラーメン」。SNSで話題になったメニューですが、実際に食べたいと思う人は多くありません。

なぜ人は“青い食べ物”を見ると食欲が落ちるのでしょうか。
飲食店を運営するうえで、色彩は料理の魅力を大きく左右する重要な要素です。

本記事では、青が食欲減退を招く理由から、飲食店が活用すべき色彩戦略、そして青が成功する例外パターンまでを、実務目線で解説します。

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目次

■ 青色が“食欲を減退させる”といわれる理由

● 自然界に青い食材が少ない“進化的要因”

青色の食品が敬遠される大きな理由は、私たちの脳が「青=食べ物ではない」と認識しやすい点にあります。

自然界の食材には、赤・緑・黄色など鮮やかな色が多く存在しますが、青い食品はきわめて少ないのが実情です。

私たちは進化の過程で、腐敗や毒を避けるために「自然の色から外れたもの」に警戒心を抱くようになりました。

そのため、青色は“非自然な色”として本能的に食欲を抑制してしまいます。

● 期待している食材の色とかけ離れてしまう

食材ごとに「こう見えるはず」という視覚的な期待値があります。

肉は赤、野菜は緑、炭水化物は白やベージュといったように、私たちは経験的に色と味の結び付きが形成されています。

しかし、青に染められた食材はこの期待値から大きく逸脱し、脳に違和感を与えます。
この“視覚のズレ”が、味の想像を難しくし、結果として食欲の低下につながります。

特に温かい料理ほど期待値が強く、青くすると違和感がより顕著になります。

● 視覚が味覚の感じ方そのものを変える

色は単に見た目を変えるだけでなく、味の感じ方にも影響を与えます。

青色は一般的に“冷たい”“苦い”といったイメージを持たれやすいため、実際の料理の温度や味とギャップが生じます。

たとえば、同じ温度の料理でも青く見えると冷たく感じたり、甘さを弱く感じたりすることが研究でも示されています。

視覚情報が味覚の認知に強く干渉するため、青い料理は期待した味覚体験を得にくく、満足度が下がりやすくなります。

● 食欲を促す色とは真逆の心理的作用

赤やオレンジなどの暖色は食欲を増進させる色として知られています。
一方、青は心理的に“抑制”“落ち着き”“涼感”を与える色で、食欲を刺激しません。

飲食店の多くが暖色系の照明や器を採用する理由はここにあります。

青色は本来、リラックス効果や清潔感を訴求するには適していますが、食欲を高める用途では逆効果になりやすい色といえます。

以上のように、青色が食欲を減退させるのは単なるイメージではなく、人間の進化・視覚構造・心理反応が絡み合った“根拠のある現象”といえます。

■ 青色食品は売れにくい?飲食店データと事例

● SNSでは話題になるが“売れ続けない”

青いカレーや青いラーメンなどのメニューは、SNSで一時的に非常に注目を集めます。
投稿のインパクトが強く、写真映えもするため、初期集客の効果は確かにあります。

しかし、実際の売上データを見ると、多くの店舗で“継続して注文されない”という共通点があります。
理由はシンプルで、青い料理は興味本位で一度試して終わるケースが大半だからです。

特にリピーター獲得が重要な飲食店では、この“単発消費”では売上に結びつきにくいのが実情です。

● 見た目のインパクトが味の評価を下げる

青い料理は視覚的なインパクトの強さにより、実際の味わいが正しく評価されにくい特徴があります。

青色は苦味や人工的な風味を連想させるため、味が通常通りであっても「美味しい」という印象が得られにくい傾向があります。

また、料理の満足度が低いと口コミ評価にも影響があり、結果として売れ行きの足を引っ張ることになります。
SNS上では好奇心で盛り上がっても、現場の評価につながりにくい点は注意が必要です。

● “青である理由”が弱いと消費者が納得しない

青いメニューが売れにくい大きな理由のひとつに、消費者が色に対して“意味”を求める点があります。

色が奇抜なメニューは、「なぜ青なのか?」というストーリーが伴わないと納得感が薄れ、一過性の話題で終わってしまいます。

たとえば、「海の景観をイメージしたご当地メニュー」や「アニメ作品のキャラクターカラー」など、色に明確な理由がある場合は、注文率が高まる傾向があります。

● レアな成功事例に共通する3つのポイント

青色メニューでも成功している店舗には、いくつかの共通点があります。

1つ目は“ターゲットが明確”であること。

若年層や観光客など、話題性を楽しむ層に対して提供しているケースが多いです。

2つ目は“期間限定で提供する”こと。

一時的な体験価値を演出し、飽きられる前に終了するため、売上効率が高くなります。

3つ目は“色に合うメニュー構造”。

冷製パスタ、ゼリー、ドリンクなど、青色と相性が良いカテゴリーを選んでいる点が特徴です。

● 青色食品の売れ行きを判断するための視点

青い食品は話題性がある一方、味・見た目・体験価値のバランスが取れなければ、長期的にはプラスになりにくいメニューです。

飲食店として導入を検討する場合、

・ターゲットのニーズ
・メニューのストーリー
・SNS以外の集客効果

といった視点を持つことで、青い食品の“難しさ”と“可能性”を見極めることができます。

■ 青色が料理に与える感覚的影響

● 青色は“冷たく感じる”視覚効果がある

青色には、視覚的に温度を下げて感じさせる特徴があります。

同じ温度の料理でも、青みが強い皿に盛り付けると冷たく感じられ、赤やオレンジの皿では温かく感じられるという研究結果もあるほどです。

このため、青い料理は本来温かいメニューであっても、食べる前の印象として“ぬるい”“冷めている”と誤認されやすく、味の期待値を下げてしまいます。

● 味覚そのものに影響する“色の心理作用”

視覚は味覚の“先入観”をつくるため、青色は料理の味の受け取り方も変えてしまいます。
一般的に青色は、甘味を弱く、塩味を鋭く感じさせる傾向があると言われています。

たとえば、同じスイーツでも青い色が加わると甘さが控えめに感じられ、コクや濃厚さの印象が薄れます。
一方で塩味や苦味が目立ちやすくなるため、全体的に“美味しさの厚み”が失われる結果になりやすいのです。

● 香りの立ち方まで変わる“視覚→嗅覚の連動”

視覚の印象は、味覚だけでなく嗅覚にも影響を与えます。

青色は爽快感を与える一方で、“距離感”を感じさせる色であるため、香りの広がりを弱く感じさせる可能性があります。

たとえば、スープやソースの湯気が立っていても、青みが強いビジュアルだと「香りが弱い」「風味が薄い」と受け止められがちです。

これは、青がもつ冷涼で静かな印象が、香りによる“温かさ”や“厚み”と相反するためです。

● 青い料理は“味の想像”を難しくする

多くの料理は視覚によって味のイメージを補完していますが、青い料理にはその前提が当てはまりにくい特徴があります。

たとえば、黄色いカレーは「スパイシー」、赤い苺は「甘い」といったように、色と味の結び付きは経験則に基づいて形成されています。

しかし、青い肉や青いスープにはこうした一般的な連想が存在しません。
そのため、食べる前に「何味なのかが想像できない」という不安が生まれ、食欲が低下しやすくなります。

● 見た目の調和が崩れると“料理としての完成度”が下がる

料理は色・香り・温度・食感の総合体験ですが、その中でも色は最初に認知される要素です。

青色が強すぎる場合、料理としてのバランス感が崩れ、味の良し悪し以前に“完成度が低い”印象を与えてしまうことがあります。

特に青は他の食品色と調和しにくく、皿の色や周辺の演出まで含めた全体設計が必要になります。
青色は心理的・生理的に強い影響を持つ色であり、料理の評価を大きく左右します。

そのため、飲食店が青色を扱う際には、温度感・味の連想・香りの強度など、視覚が与える多面的な効果を理解したうえでの活用が重要です。

■ 飲食店が使うべき色・避けるべき色

● 食欲を増進させる“暖色”は王道の選択

飲食店の現場では、赤・オレンジ・黄色といった暖色は“食欲を高める色”として定番です。

これらの色は、料理が温かく感じられたり、香りが立っているように見えたりと、食体験の期待値を上げる効果があります。

特に赤は情動を刺激する色で、提供スピードの速い業態や、回転率を重視する店舗において非常に相性が良いとされています。

照明・器・メニュー表のアクセントに暖色を取り入れることで、店舗全体の印象を食欲に寄せることができます。

● “青色そのもの”は料理に直接使わない方が安全

青色は視覚的に冷たさや違和感を与えるため、温かい料理のメインカラーには不向きです。

自然界に青い食材が少ないこともあり、視覚的な期待値と大きくズレるため、味わいの評価まで下がる可能性が高くなります。

特に大衆向け業態やリピート率を重視する店舗ほど、青色を料理本体に用いるメリットは限定的です。
青色は「使う場所を選ぶ色」であることを認識しておくと、メニュー設計を誤りにくくなります。

● 青色の“上手な使いどころ”とは?

青を全面に押し出さず“補助的に使う”ことで、逆に清潔感や涼しさを演出できます。
例えば、冷製メニューや夏季限定商品では、青い器や差し色を取り入れることで爽やかな印象をつくれます。

また、ドリンクやスイーツなど、視覚的遊びが許容されやすいジャンルでは、青色はアクセントとして効果を発揮します。

料理そのものではなく“ビジュアル演出の一部”として青を採用すると、違和感を最小限に抑えながら視覚訴求ができます。

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● 器・照明による“色の調整”で売れ行きは変わる

料理の印象は、器の色や照明によって大きく左右されます。
例えば、白い器は料理を引き立て、素材本来の色を正確に伝えるため、幅広い業態で扱いやすい選択肢です。

一方で黒い器は高級感を演出できる反面、温かさを感じさせにくい場合もあります。
照明に関しては、暖色系のライトは料理を美味しそうに見せる鉄板の方法です。

青色が不得意とされる理由も、こうした視覚効果との相性に起因しているため、全体設計の中で色をどう扱うかが売れ行きに直結します。

● 色を使う際に押さえるべき“メニュー設計の鉄則”

色彩設計を行う際には、

・ターゲットが求める世界観
・料理の温度帯やカテゴリー
・提供スピードや回転率

といった複数要素を踏まえて判断する必要があります。
とりわけ、青色は感覚的影響が強いため、戦略性のない使用はリスクになりやすい色です。

反対に暖色を中心に組み立てることで、料理の魅力を素直に伝えられ、食べ手の心理にプラスの作用を生み出すことができます。

色は料理の印象を根本から変える“無声のプレゼンテーション”です。
適切な色を選ぶことで、味覚・香り・温度の感じ方までコントロールでき、売れるメニュー設計につながります。

■ 青いメニューが成功する“例外パターン”

● 物語性が明確な“テーマ型メニュー”

青いメニューが成功する最も典型的な例外は、“色に理由がある”ケースです。

たとえば、海・空・宇宙といった自然イメージをテーマにした料理、アニメやキャラクターの世界観を再現したコラボメニューなどが挙げられます。

消費者は「なぜ青なのか?」に納得できると心理的抵抗が薄れ、むしろテーマ性が強いほど購入動機が高まります。

青色は本来の食欲とは逆効果になりがちですが、物語性が加わることで“視覚体験としての価値”に転換できるのです。

● 記念日・イベントの“期間限定効果”

青いメニューは長期定番化には不向きですが、期間限定で提供した際には強い集客効果を生みます。

たとえば、夏祭り・花火大会・周年記念イベントといった“特異日”は、普段とは違う体験が求められやすい時期です。

そのため、青色のクリームソーダや青いかき氷など、インパクト重視のメニューは話題性と売上の両方を支える武器になります。

限定性はリピート問題を回避できるため、青色メニューの弱点を補完する有効な手法です。

● デザート・ドリンクの“遊びを許容するカテゴリー”

青色は主食系メニューとは相性が悪い一方、スイーツやドリンクでは例外的に成功しやすい色です。

特にラテ、ゼリー、ソーダなどは色の楽しさが体験価値につながるカテゴリーであり、味の想像がしにくくても受け入れられやすい傾向があります。

実際、青いレモネードやブルーハワイは長年愛されており、青色が“爽快感”と結びつくためむしろプラスに働くケースもあります。

料理本体ではなく、透明感のあるスイーツ・ドリンクにおいては、青色は強力な差別化要素になります。

● “話題化が目的”の観光地・テーマパーク業態

青いメニューは、地域や施設のブランディングに使われることがあります。

観光地の“ご当地フード”、水族館の“海色ドリンク”、テーマパークの“青い限定バーガー”など、訪問体験の一部として設計されているケースです。

このような業態では、青色の違和感よりも“ここに来た記念”という価値が優先されるため、売上に結びつきやすくなります。

つまり、青色は体験消費が重視される場所では大きな武器になるのです。

● 成功パターンを見極めるための判断軸

青いメニューが成功するかどうかは、

・色に明確なストーリーがあるか
・期間限定で提供するか
・カテゴリー選択が適切か(ドリンク・スイーツ中心)
・店舗の業態が体験価値を求められるか

といった要素で決まります。

青いメニューは万能ではありませんが、構造的にハマる条件下では、他の色では生み出せない“特別感”を演出できます。

青色は扱いが難しい色ですが、例外パターンを理解して戦略的に使うことで、飲食店にとって強力な集客装置に変わります。

■ まとめ:青は“扱い方次第”で武器になる

青い料理は一般的に食欲を減退させ、売上につながりにくいといわれます。

しかし、青の性質を理解したうえで、「料理以外の演出」に使ったり、「ストーリー性」を付加したりすることで、むしろ他店との差別化ポイントになります。

色彩は飲食店経営における重要なマーケティング要素です。

青を避けるだけでなく、戦略的に“使う・使わない”を判断することで、メニューと店舗体験の幅が大きく広がります。

「また来たい」と思ってもらうために、ぜひ小物選びにもこだわってみてください。
明日のランチからすぐ使える工夫ばかりですので、ぜひお店に合うものから取り入れてみてください。

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