せいろとは、竹や木で作られた蒸し器を使い、素材をじっくりと蒸し上げる日本の伝統的な調理法です。
蒸気の力で加熱するため、余分な油を使わず、食材本来のうまみや香り、栄養を逃さずに仕上げられるのが特徴です。
ご飯や点心、野菜、魚、肉料理など幅広く応用でき、「ふっくら」とした食感と優しい味わいを楽しめます。
今回は、せいろとはどんな物？魅力や美味しい炊き方について紹介していきます。
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目次
せいろの発祥
せいろは、主に竹や杉などの天然素材で作られた蒸し器で、日本や中国をはじめとした東アジアに古くから伝わる調理道具です。
その発祥をたどると、中国で紀元前から使用されていた「蒸籠」に行き着きます。
小麦粉を使った点心や、饅頭を蒸すために用いられ、やがて日本にも伝わりました。
日本では、奈良・平安時代の文献に蒸し料理の記録が見られ、仏教の精進料理や宮廷料理などで活用されていたことがうかがえます。
特に、蒸し料理は「油を使わず、食材本来の味を引き出す」という点で、健康的で上品な調理法として重宝されました。
せいろは、「蒸す」というシンプルな方法で調理するため、野菜、魚、肉、米などいろいろな食材に対応できます。
ご飯を炊く際に使えば、ふっくらと粒立ちのよい仕上がりになり、野菜は鮮やかな色とみずみずしさを保ちます。
点心や、中華まんじゅうなどの小麦料理も、せいろを使うことでふんわりと蒸し上がり、格別の美味しさを楽しめます。
また、木や竹の香りがほのかに食材に移り、ほかの調理器具では得られない独特の風味を加える点も大きな魅力です。
さらに、重ねて使用できる構造のため、一度に複数の食材を効率よく蒸せるのも特徴です。
ご飯とおかずを同時に調理でき、家庭でも簡単に「蒸し膳」のような一汁多菜を用意することが可能です。
このように、せいろは古代から現代に至るまで、健康的で美味しい料理を作るための調理器具として受け継がれ、和食から中華料理まで幅広い料理文化を支えてきたのです。
せいろの魅力とは？
せいろには、現代の調理器具にはない独自の魅力が数多くあります。いったい、せいろにはどのような魅力が詰まっているのでしょうか。
ここでは、せいろの魅力について紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。
食材本来の美味しさを引き出す
せいろは、蒸気の力で食材をじっくりと加熱するため、余計な油を使わずに仕上げられます。
その結果、野菜は鮮やかな色合いを保ち、肉や魚は柔らかくジューシーに仕上がります。
特に、ご飯をせいろで蒸すと、一粒一粒が立ってふっくらとした食感になり、米の香りも引き立ちます。
茹でる場合と違い、水に溶け出す栄養素を逃しにくいのも大きな利点で、素材のうまみと栄養を丸ごと味わえるのです。
見た目や香りの演出
竹や木で作られたせいろは、調理道具でありながらそのまま器としても使える美しい存在です。
湯気とともにテーブルに運ばれるせいろは、ふたを開けた瞬間に広がる香りとビジュアルで食欲をそそります。
天然素材の木や竹の香りがほのかに食材に移るため、料理全体に奥行きのある風味を与える点も魅力です。
見た目・香り・味の三拍子をそろえ、食事の時間をより豊かにしてくれるでしょう。
調理の効率と健康面への利点
せいろは、段を重ねて使えるため、一度に複数の料理を同時に仕上げられます。
たとえば、一番下でご飯を蒸し、上段で肉や野菜を調理することで、短時間でバランスのよい食事を整えることが可能です。
油をほとんど使わない調理法なので、カロリーを抑えつつ、素材の栄養素を保ったまま食べられるのも健康志向の現代にぴったりです。
洗い物も少なく済み、環境にも優しい点で家庭料理に適しています。
このように、せいろは「味」「見た目」「効率」という側面で他の調理法にはない魅力を持ち、昔ながらの知恵が現代の食生活にも大いに活かされているのです。
美味しい炊き方
せいろを使ったおいしい炊き方の基本は、蒸気の力で米をふっくらと炊き上げることにあります。
まずは、下準備から始めましょう。米は、通常の炊飯と同じように研いでから、30分〜1時間程度しっかりと浸水させます。
これにより、米の芯まで水が行き渡り、蒸したときにふっくら仕上がります。その後、米をざるにあげて余分な水を切ることが重要です。
水分が多すぎてしまうと、ベタつきやすくなるため、適度に水気を切った状態が理想です。
次に、蒸すための準備です。鍋にたっぷりとお湯を沸かし、その上にせいろをセットします。
せいろは、天然素材でできているため、蒸す前に水にくぐらせておくと焦げつきやひび割れを防げます。
せいろに濡らした布巾やクッキングシートを敷き、その上に米を平らに広げるようにして入れます。
米を山のように盛るのではなく、なるべく均等に広げることで熱が均一に伝わり、ムラのない炊き上がりになります。
蒸し時間の目安は、強火で25〜30分ほどです。蒸気が絶えずしっかり上がっている状態を保つことがポイントです。
蒸気が弱まると仕上がりにムラが出るので、途中で湯が減ったら熱湯を継ぎ足しましょう。
蒸し上がったらすぐにふたを開けず、5分ほど蒸らすのも大切な工程です。蒸らすことで米の水分が全体に行き渡り、一層ふっくらとした仕上がりになります。
この方法で炊いたご飯は、一粒一粒が立ち上がり、つややかで香り高いのが特徴です。
炊飯器にはない木や、竹の香りがほのかに移り、食卓を豊かな風味で包み込みます。
シンプルに塩むすびにしたり、旬の野菜や魚と一緒に蒸して「せいろ御飯」に仕上げるのもおすすめです。
手間はかかりますが、その分「特別な一膳」として格別のおいしさを楽しめるのが、せいろで炊くご飯の魅力です。
せいろに使う調理器具や食器
テンポスで扱っている、せいろで使う調理器具や、おすすめの食器をご紹介！
セイロ 蓋 36cm
角蒸器 28cm 2段 業務用
まとめ
今回は、せいろとはどんな物？魅力や美味しい炊き方について紹介してきました。
せいろは、日本や中国を始め東南アジアで伝わった調理器具です。せいろは、「蒸す」というシンプルな方法で調理するため、野菜、魚、肉、米などさまざまなものに活用できます。
せいろを活用しておいしいご飯をぜひ、炊いてみてください。
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