日本が抱える社会問題の1つに、少子高齢化があります。少子高齢化の影響によって、労働人口は年々減少しており、後継者不足を理由に多くの中小企業や個人店が倒産しています。
この問題は、飲食店も例外ではありません。特に、個人経営の飲食店などは「後継者の不在」や「店主の高齢化」による後継者問題に直面しています。
そのため、大企業による飲食店のM&Aが近年増加しており、今後も高齢化による影響で進んでいくでしょう。
今回は、飲食店のM&Aが相次ぐ!?合併・買収によるメリット・デメリットについて紹介していきます。

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目次
飲食店のM&Aが相次いでいる?

近年、日本の飲食業界ではM&A(合併・買収)の件数が増加しており、まさに「相次いでいる」と言える状況です。
背景には、コロナ禍のダメージや人手不足、物価・原材料高騰といった経営環境の悪化があります。
一方で、買い手側にはインバウンド回復や海外展開、新たな市場獲得といったニーズが高まっており、M&Aが積極的に活用されています。
2021〜2022年にかけて、外食産業におけるM&Aは前年比で約20%の増加を記録しました。
(出典元:日本M&Aセンター)
また、2025年時点においても、後継者不在による廃業回避や新規参入手段としてのM&Aの利用が増加していると報じられています。
さらに、市場占有率では大手企業による買収が進み、中小飲食店を取り込む形で業界再編の動きが進行中です。
飲食業界特有の課題、たとえば「後継者問題」や「個人保証からの解放」なども、M&A選択の重要な要因となっています。
具体的な事例としては、以下のような動きがあげられます。
株式会社壱番屋(カレーハウスCoCo壱番屋運営)が植物工場をM&Aで取得し仕入れの内製化を目指した他、観光客にも人気の「大黒屋」や「麺屋たけ井」を取得しています。
ゼンショーホールディングスが「ロッテリア」を買収し、食材調達・物流・店舗運営でのシナジーを追及しました。
トリドールHD(丸亀製麺運営)が英国レストラン「フルハム・ショア」の株式を約151億円で取得し、海外店舗数拡大に向けた戦略を加速しています。
さらに、異業種企業や海外資本による参入も増加中であり、M&Aによって新規事業参入や業態の多角化を図る動きが顕著です。
飲食店業界では、構造的な課題に直面する中、大手・中小問わずM&Aが存続と成長のための重要な選択肢となり、動きが相次いでいると言えます。
このように、M&Aは単なる売買に留まらず、事業継続、経営改善、新規展開など多くの目的で利用されており、今後もこの流れは続く見込みです。
合併・買収によるメリット・デメリットとは?

飲食店において、合併・買収(M&A)によるメリット・デメリットとはいったい、なにがあげられるのでしょうか。
ここでは、合併・買収によるメリット・デメリットについて紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。
M&Aのメリット
まず、メリットについてです。メリットは以下のとおりです。
事業継続・後継者問題の解決
飲食店は個人経営や同族経営が多く、後継者不在が深刻な課題となっています。M&Aを通じて第三者に事業を引き継ぐことで、廃業を避け、従業員の雇用や長年築いたブランドを守ることができます。
特に近年は、オーナーの高齢化と人材不足が重なり、「廃業かM&Aか」の選択を迫られるケースが増えているのです。
スピーディーな事業拡大
買収側にとっては、ゼロから新規出店するよりも、既存店舗やノウハウを持つ企業を買収する方が早く市場に参入できます。
たとえば、ゼンショーホールディングスが「ロッテリア」を買収したケースでは、既存の店舗網やブランド力をそのまま取り込むことで、ハンバーガー市場への展開を一気に加速できました。
新規市場・業態への参入
飲食業界は、競争が激しいため、異業種からの参入や新業態への挑戦がしばしば見られます。
トリドールHDがイギリスの外食チェーンを買収したのは、海外市場での成長を狙った動きです。
既に運営ノウハウがある企業を取り込むことで、リスクを抑えながら新しい市場に参入できます。
資金面・経営面の安定化
大手に買収されることで、個人経営の飲食店が抱える資金調達の不安や個人保証のリスクが軽減されます。
また、大手の経営ノウハウを導入できれば、業務効率や店舗運営力が向上し、存続と発展の可能性が高まるでしょう。
M&Aのデメリット
次に、デメリットです。デメリットは以下のとおりです。
文化・経営方針の違い
買収後にもっとも多い問題は、企業文化や経営方針の衝突です。個人経営ならではの柔軟なスタイルと、大手企業のマニュアル化された運営方針が合わないことがあります。
従業員のモチベーションが下がり、離職につながるリスクもあるでしょう。
ブランド価値の毀損
小規模で地域密着型の店舗が大手に買収されると、「チェーン店化」への懸念から、既存の常連客が離れることがあります。
特に、飲食業は「味」や「雰囲気」といった独自性が支持を集めるため、ブランドイメージを損なうと、売上低下につながりかねません。
買収コストの負担
買収する側にとっては、多額の資金が必要です。期待通りの収益が得られなければ、投資回収が難しくなります。
特に、原材料高騰や景気変動など、外食産業の不安定要素を考慮せずに買収すると、想定外の損失を被る危険があります。
従業員・取引先への影響
オーナーの交代により、従業員の雇用条件が変化したり、取引先の契約が見直されたりすることがあります。
これにより、不安が広がり、人材流出や仕入れ先変更によるコスト増が発生する可能性も否めません。
飲食業界におけるM&Aは、後継者不足や人手不足といった「守りの目的」と、事業拡大や新規参入といった「攻めの目的」の両面から利用が進んでいます。
成功すれば経営基盤の安定化や市場拡大といった大きなメリットが得られますが、文化の不一致やブランド毀損といったデメリットも少なくありません。
特に、飲食業は「人」と「味」に強く依存する業種であり、統合プロセスの巧拙が結果を大きく左右します。
したがって、M&Aを進める際には、資金や店舗数の拡大だけでなく、従業員や顧客の信頼をどう守るかがもっとも重要なポイントと言えるでしょう。
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まとめ
今回は、飲食店のM&Aが相次ぐ!?合併・買収によるメリット・デメリットについて紹介してきました。
人手不足、物価・原材料高騰といった経営環境の悪化により、近年M&Aが進んでいます。
M&Aによるメリット・デメリットが多く存在する中で、成長を期待するのはもちろんのことですが、なにより従業員や顧客の信頼をどう守るかが最重要になってくるでしょう。
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