秋田県には、いろいろな郷土料理がありますが、その中でも知られている料理が「笹巻き」です。
笹巻きは、一見すると「ちまき」と似ていますが、もしかすると勘違いをしている方も多いかもしれません。
いったい、どの点において違いが見られるのでしょうか。
今回は、笹巻きとちまきの違いとは?美味しい食べ方や作り方について紹介していきます。

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目次
笹巻きとちまきの違いとは?

笹巻きとちまきは、どちらも植物の葉で包んだ和の食べ物ですが、地域や作り方、材料に違いがあります。
ここでは、笹巻きとちまきの違いについて紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。
起源と地域性の違い
笹巻きは、主に東北地方(特に山形・秋田・新潟)で作られる郷土菓子で、端午の節句や、初夏の保存食として親しまれてきました。
笹の葉に包むのは、湿気の多い季節でも腐りにくくするための工夫です。
一方で、ちまきは中国から伝わった食文化が日本各地に広まったもので、関西や九州、沖縄などでも食べられます。
中国では、端午節に邪気払いの意味を込めて食べられ、日本でも端午の節句の行事食として根付きました。
中身や味の違い
笹巻きは、もち米を水に浸してから笹の葉で包み、灰汁(あく)や重曹を加えた湯で長時間煮ることで、ほんのり黄色く、独特の香りと「もちもち感」を持たせます。
中身は、基本的に甘くなく、食べる時にきな粉や黒蜜をかけます。一方で、ちまきは地域や国によって多様で、日本の和風ちまきは甘いこしあんやごま餡入りが多く、関西の「葛ちまき」は葛粉で透明感のある「ぷるん」とした食感を持っています。
中国風ちまき(粽)は豚肉、卵黄、しいたけなどを入れた塩味が主流です。
包み方や形の違い
笹巻きは、笹の葉を使い、三角形や円錐形に包むのが一般的で、細い藁やイグサでしっかりと結びます。
葉の香りが米に移り、風味豊かな仕上がりになります。ちまきは、葉の種類が笹や竹の葉、バショウの葉など多様で、包み方も円筒形、四角形、三角形などさまざまです。
中国風ちまきでは、大きめでずっしりした形が多く、日本の和菓子としてのちまきは小ぶりで上品な見た目が特徴です。
このように、笹巻きは東北を中心に発展した素朴で保存性の高いもち菓子、ちまきは中国由来で多様な具材や形が楽しめる行事食として、それぞれ独自の文化を持っています。
美味しい食べ方
笹巻きとちまきは、素材の香りや食感を楽しむために、それぞれに合った食べ方があります。
笹巻きの場合、まず笹の葉を丁寧にほどきます。葉を開いた瞬間に広がる笹の爽やかな香りが食欲をそそります。
笹巻き自体は、甘みがほとんどないため、きな粉と砂糖を混ぜたものをたっぷりまぶす、または黒蜜をかけて食べるのが定番です。
きな粉の香ばしさや、黒蜜の濃厚な甘さが、笹巻きの「もっちり」とした食感と相性抜群です。また、冷やして食べることで、より清涼感が増します。
一方で、和風ちまき(特に餡入り)の場合は、包みを外してそのまま食べるのが基本です。
こしあんや、ごま餡の優しい甘みが口いっぱいに広がります。温めてもおいしいですが、夏場は冷蔵庫で冷やすと餡の甘さが引き締まり、あっさりした味わいになります。
中国風ちまき(粽)は、蒸し器や電子レンジで温めてから食べます。中の豚肉や、しいたけのうまみが米にしみ込み、熱々で食べると香りとコクが引き立ちます。
好みで醤油やラー油を少量つけると、味に深みが増すでしょう。
どちらも、包みを開ける瞬間の香りと、葉がもたらす風味を感じながら味わうのがおいしさの秘訣です。
シンプルに食べても、トッピングや調味料でアレンジしても楽しめる一品です。
笹巻きとちまきの作り方

ここでは、笹巻きとちまき、それぞれの代表的な作り方について紹介していきます。
地域や家庭によって細かな違いはありますが、基本的な手順は以下のとおりです。
笹巻きの作り方(山形風)
材料(約10個分)
・もち米:500g
・笹の葉:20枚ほど(2枚で1個分)
・いぐさや藁:適量
・灰汁(または重曹小さじ1):適量
手順
下準備
笹の葉は軽く洗い、熱湯でサッと茹でて柔らかくし、水気を拭き取ります。もち米は、一晩水に浸けておきましょう。
包む
笹の葉を2枚重ね、円錐形に折り、もち米を7分目まで入れます。葉を折りたたんで口を閉じ、いぐさや藁でしっかり結びます。
煮る
大きな鍋に、灰汁または重曹を溶かした湯を沸かし、笹巻きを入れて2〜3時間じっくり煮ます。
仕上げ
煮上がったら水にさらし、粗熱を取ります。食べるときに、きな粉や黒蜜をかけてもおいしくいただけます。
和風ちまき(餡入り)
材料(約10個分)
・もち米:500g
・こしあん:300g
・竹の葉(または笹の葉):10枚
・いぐさやタコ糸:適量
手順
下準備
葉は、笹巻き同様にゆでて柔らかくします。もち米は、一晩水に浸け、翌日水を切りましょう。
餡を包む
もち米を軽く蒸し、葉で円筒形に包み、中にこしあんを入れます。
蒸す
蒸し器で、約30〜40分蒸ます。もち米が透き通ったら完成です。
中国風ちまき(肉入り粽)
材料(約8個分)
・もち米:500g(半日浸水)
・豚バラ肉:200g(醤油・酒・五香粉で下味)
・干ししいたけ:4枚(水戻し)
・塩卵黄(あれば):適量
・落花生や栗(好みで):適量
・竹の葉またはバショウの葉:16枚
手順
下準備
葉は、洗ってゆでます。もち米は、下味用に醤油少々を混ぜます。
包む
葉2枚を重ねて漏斗型にし、もち米、具材、もち米の順で重ねます。三角形に折り、糸でしっかり結びましょう。
煮る
大鍋でたっぷりの湯を沸かし、約2〜3時間煮ます(圧力鍋なら1時間程度)。
笹巻きは、素朴で保存性の高い郷土菓子、ちまきは餡入りの和菓子や具沢山の中国風と、同じ「葉で包む料理」でも手間や味わいがかなり違います。
どちらも包む作業が少し手間ですが、葉の香りが食材に移り、特別感のある仕上がりになります。
ぜひ、自宅で作ってみてください。
笹巻きに使う調理器具や食器
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まとめ
今回は、笹巻きとちまきの違いとは?美味しい食べ方や作り方について紹介してきました。
笹巻きとちまきの違いとして、笹巻きは東北を中心に発展した素朴で保存性の高いもち菓子、ちまきは中国由来で多様な具材や形が楽しめる行事食です。
笹巻きとちまきには、それぞれ違いがありますが、包みを開ける瞬間の香りと、葉がもたらす風味を感じながら味わうのがおいしさの秘訣です。
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