「味には自信がある」「原価も管理できている」「クレームも特にない」。
それなのに、なぜかリピートが伸びない。
売上が頭打ちになる。
飲食店の現場では、こうした“説明のつかない停滞”がよく起こります。
このタイプの店に共通するのは、料理の質ではなく、「どう出され」「どう届き」「どう待たされているか」という“提供設計”のズレです。
今回は、「味はいいのに伸びない店」が必ずと言っていいほど抱えている、料理以前の“体験設計”の問題を分解していきます。

※記事制作20年以上の担当者が、あなたのお店の良さをインタビューで聞き出して記事を作成します!あなたのお店を記事にして毎月6桁のユーザーが訪問する、全国の飲食店を応援するフードメディア「テンポスフードメディア」に掲載しませんか?上記ボタンをクリックし、詳細をぜひご覧ください。
また、不明点などお気軽に下記ボタンからお問合せください!
目次
■ なぜ「味がいいのに伸びない店」が生まれるのか

― 問題は“料理”ではなく“届くまで”にあります
● 「まずくない店」が一番気づきにくい
飲食店の不振は「まずいから」と思われがちですが、実際の現場では「まずくないのに伸びない」店が非常に多く存在します。
味に大きな欠点がなく、価格も極端に高くない。
クレームも少ない。
だからこそ、「何が悪いのか分からない」状態に陥りやすくなります。
このタイプの店は、致命傷がない代わりに決定打もなく、「なんとなく普通」「悪くないけど記憶に残らない」という評価に落ち着いてしまいます。
● 評価されているのは味ではなく“体験のまとまり”
お客様が店を出たあとに覚えているのは、細かな味の違いよりも、「気持ちよく食べられたか」「満足感があったか」という全体の印象です。
料理の温度、出てくるテンポ、最初の一皿の印象、待ち時間の感じ方。
こうした要素が組み合わさって「この店は良かった」「また来たい」という判断が作られます。
味が良くても、この体験が設計されていないと、評価は簡単に平均点に埋もれてしまいます。
● 「完成した料理」からが本当の勝負です
多くの店は、レシピや仕込み、原価率までは真剣に考えますが、「出来上がった料理がどう客に届くか」までは設計していません。
しかし実際には、完成から提供までの数十秒〜数分の間に、温度は下がり、香りは飛び、印象は変わります。
さらに、順番や間の取り方次第で、同じ料理でも「期待を高める一皿」にも「満足を削る一皿」にもなります。
● 提供設計とは“料理以前”の設計です
提供設計とは、調理の効率化の話ではありません。
「どんな状態で口に入るか」「どんな気分で一口目を迎えるか」を設計することです。
味がいいのに伸びない店は、この部分が無意識のまま現場任せになっています。
その結果、料理の価値が安定して伝わらず、「悪くないけど選ばれない店」になってしまうのです。
■ 料理が冷める構造

― 味の問題に見えて、実は“動線と段取り”の問題です
● 冷める原因はレシピではありません
「料理が冷めて出てくる」と聞くと、保温力や調理技術の問題だと思われがちです。
しかし実際の現場で多いのは、味や調理そのものではなく、「出来上がってから出るまで」の構造に原因があるケースです。
料理は完成した瞬間が最も良い状態です。
そこから一秒ごとに、温度も香りも食感も落ちていきます。
しかし、多くの店では完成後の動きが設計されておらず、「とりあえず置く」「呼ばれてから取りに行く」「手が空いた人が運ぶ」といった偶然任せの流れになっています。
● “数十秒の滞留”が味を別物にします
料理が冷めるのは、長時間放置されたときだけではありません。
盛り付け台で待つ30秒、提供口で重なる1分、遠い客席までの移動時間。
この小さな滞留の積み重ねで、体感温度は大きく変わります。
特に油脂を使う料理、香りが命の料理ほど、温度低下は「おいしさ」ではなく「重さ」や「ぼやけ」に変換されてしまいます。
その結果、「まずくはないけど感動しない」という評価になります。
●素早い判然作業に活躍します
MTI 18-8ワゴン3段4輪(L)955x505xH960 A1004/業務用/新品/送料無料

● 厨房設計と動線は“味を守る設備”です
料理が冷めるかどうかは、スタッフの意識よりも構造で決まります。
置き場所が遠い、提供口が狭い、ホールとの連携が取りづらい、動線が交差する。
こうした環境では、どれだけ気をつけていても“待ち”が発生します。
厨房設計、配膳動線、声の届き方、視認性。
これらはすべて、味を守るための設備です。
● 「味に手を入れる前」に見るべき場所があります
もし「味には自信があるのに評価が上がらない」と感じているなら、レシピを変える前に、完成から提供までを一度すべて書き出してみてください。
どこで止まり、誰を待ち、何が合図になって動いているのか。
そこに無意識の滞留があれば、それは味を下げ続けている装置です。
料理が冷める構造を直すことは、味を変えずに評価を上げる最短ルートでもあります。
■ 提供順が利益率を壊す瞬間

― 原価ではなく「出す順番」で粗利は崩れます
● 最初に出る料理が“その後”を決めています
お客様が席に着いて最初に口にする一皿は、その後の注文行動に強い影響を与えます。
最初からボリュームのある料理が出れば、「もう結構満たされた」という心理が働き、追加注文は鈍ります。
逆に、軽すぎたり安価すぎたりすると、「とりあえずこれでいいか」という流れになり、単価が上がりにくくなります。
最初に何を出すかは、オペレーションの都合ではなく、客単価を設計する行為です。
● 高原価商品ほど“出すタイミング”が重要です
原価の高い看板商品やメイン料理ほど、待たせ方と順番が重要になります。
期待が高まりすぎた状態で遅れて出ると、「まだ?」「これだけ?」という不満が混ざり、満足度が下がります。
また、すでに満腹に近い状態で高原価商品が出ると、「重い」「量が多い」「高い」という印象になりやすく、同じ料理でも評価は大きく変わってしまいます。
● 提供順は“満足”と“満腹”を操作しています
お客様の満足感と満腹感は同時には上がりません。
満足が先に立てば追加注文が生まれ、満腹が先に立てば注文は止まります。
どの料理で期待を作り、どの料理で満足を作り、どの料理で満腹に向かわせるのか。
この順番設計がない店は、無意識のうちに「利益が出にくい流れ」を作ってしまっています。
● 提供順はオペレーションではなく“利益設計”です
多くの店では、出来たものから順に出しています。
しかしそれは、厨房の都合であって、店の戦略ではありません。
提供順を見直すだけで、原価を変えずに客単価が動き、同じメニューでも利益構造は変わります。
もし「売上は出ているのに利益が残らない」と感じているなら、原価表より先に、提供順を疑う価値があります。
■ 味を殺すオペレーション
― 厨房都合の動きが“体験のノイズ”になります
● 「作りやすさ優先」は、必ずしも「食べやすさ」ではありません
オペレーションを組む際、多くの店が優先するのは「仕込みが楽」「人が少なく回る」「ピークを耐えられる」といった厨房側の都合です。
しかし、それがそのままお客様の体験価値につながるとは限りません。
同時に食べたい料理の提供タイミングがズレる、音や動きが慌ただしい、説明が飛び飛びになる。
こうしたズレは、味とは無関係に「落ち着かない」「満足しきれない」という印象を作ります。
● 料理は味だけで評価されていません
人は料理を、舌だけで食べているわけではありません。
運ばれてくるスピード、置き方、言葉のかけ方、周囲の音や視界。
これらすべてが一皿の評価に混ざり込みます。
たとえば、慌ただしく置かれた料理と、間を取って出された料理では、同じ味でも評価は変わります。
オペレーションとは、味を届けるための“演出装置”でもあるのです。
● 「早いのに満足感がない」「遅いのに期待が高まらない」状態
味を殺しているオペレーションの典型は、この二つです。
一つは、料理は早いのに、流れが単調で印象に残らない状態。
もう一つは、遅れているのに、その待ち時間に意味がなく、ただのストレスになっている状態です。
どちらも、体験としての設計がなく、厨房都合の動きがそのまま客席に漏れ出ているサインです。
● オペレーションは効率化ではなく体験設計です
効率が良くても、体験が悪ければ店は伸びません。
どの工程が、期待を作り、安心を作り、満足を作っているのか。
オペレーションを「人を動かす設計図」ではなく、「感情を動かす設計図」として見直すことで、味の評価は安定し始めます。
■ 提供設計を見直すと、味を変えずに店は伸びます
― 料理に手を入れる前に見るべきチェックポイント
● まず「完成から着席まで」を可視化します
提供設計の見直しは、改善案を考える前に、現状を正確に書き出すことから始まります。
料理が完成してから、誰が持ち、どこに置かれ、何を合図に動き、何秒後に口に入っているか。
この流れを一度すべて言語化すると、多くの店で「無意識の待ち」「意味のない動き」が見えてきます。
● 「温度・順番・間」を分解して見ます
提供品質は、大きく分けると
・どんな温度で届いているか
・どんな順番で届いているか
・どんな間で届いているか
の三つで構成されています。
このどれか一つでもズレると、味の評価は簡単に下がります。
逆に言えば、この三点を整えるだけで、料理を変えずに印象は大きく改善します。
● 「売れている料理」より「最初の体験」を設計します
多くの店は、人気メニューや原価率ばかりを見ます。
しかし、再来店を決めているのは、多くの場合「最初の一口」「最初の三分間」の体験です。
最初に何を出し、どう出し、どう待たせているか。
ここを設計し直すだけで、客単価・満足度・回転のすべてに影響が出ます。
● 味を磨く前に、“届き方”を磨きます
提供設計は、設備投資や大幅なメニュー変更をしなくても改善できる領域です。
動線、順番、声かけ、置き方、段取り。
これらを整えることは、味の価値を安定して伝える土台を作ることでもあります。
もし伸び悩みを感じているなら、次に直すべきはレシピではなく、「その料理がどう届いているか」です。
■ まとめ:味の前に、届き方があります
● 伸びない原因は、料理の中にないことが多いです
味に自信があるのに売上が伸びない、リピートが増えない。
そのとき多くの店が疑うのは、メニューや価格、宣伝です。
しかし実際には、「料理そのもの」ではなく、「料理がどう届いているか」に原因があるケースが非常に多くあります。
同じ料理でも、温度、順番、間、動線が変われば、評価は簡単に変わります。
● お客様が覚えているのは“味”より“体験”です
人は細かい味の違いよりも、「気持ちよく食べられたか」「満足したか」という印象で店を記憶します。
その印象を作っているのは、最初の一皿、待たせ方、運ばれ方、食べ始めるまでの空気です。
どれだけ料理の完成度を高めても、この部分が設計されていなければ、評価は安定しません。
● 提供設計は、最も費用対効果の高い改善領域です
提供設計の多くは、大きな投資をしなくても見直せます。
動線、置き場所、順番、段取り、声かけ。
これらを整えるだけで、味の再現性、満足度、客単価、回転率に同時に影響が出ます。
「味を変えずに数字が動く」数少ない改善領域でもあります。
● 味を磨く前に、“届き方”を磨いてください
料理を変えることは、時間もコストもかかります。
一方で、提供のされ方は、今日からでも変えられます。
完成から着席までを見直し、「なぜこの順番なのか」「なぜここで待つのか」を問い直すだけで、店の体験は変わります。
味の前に、届き方があります。
その設計こそが、料理の価値を安定して伝え、「悪くない店」から「選ばれる店」に変えていく土台になります。
テンポスでは、これから開業を目指す方、飲食店の経営についてお悩みの方に向けてさまざまな情報を発信しています。
是非ご活用ください。
業務用調理機器や小物、食器から家具に至るまで、多数取り揃えております。
是非テンポスへご注文からご相談まで、お気軽にお問い合わせください。
#飲食店 #厨房 #伸びない理由 #提供方法 #温度 #順番 #動線 #体験 #待たせ方 #運ばれ方 #置き場所 #提供設計 #意味のない動き




