「なぜあの店は値上げできるのか?」開業時から仕込まれている3つの要素

出店・開業

「値上げしたいけど、客離れが怖い」

これは多くの飲食店経営者が、いつか必ずぶつかる悩みです。
原価は上がり続け、人件費も光熱費も下がる気配はない。

それでも「うちは値上げできる雰囲気じゃない」と感じてしまう店は少なくありません。
一方で、同じ環境でも自然に価格改定を重ね、むしろファンを増やしている店も存在します。

この差は、勇気や交渉力の違いではありません。
ほとんどの場合、「開業時の設計」の差です。

今回は、「値上げできる店」がオープン前から仕込んでいる構造を、開業志向の方にも分かる形で整理していきます。

開業・経営の困ったを解決!

※記事制作20年以上の担当者が、あなたのお店の良さをインタビューで聞き出して記事を作成します!あなたのお店を記事にして毎月6桁のユーザーが訪問する、全国の飲食店を応援するフードメディア「テンポスフードメディア」に掲載しませんか?上記ボタンをクリックし、詳細をぜひご覧ください

また、不明点などお気軽に下記ボタンからお問合せください!

お問い合わせはこちらからどうぞ!

目次

■ なぜ多くの店は「値上げできない構造」で開業してしまうのか

開業相談をしていると、「値上げはいつか考えます」という言葉をよく聞きます。
しかし実際には、ほとんどの店は“いつか”を迎える前に、値上げできない構造で固まってしまっています。

値上げが難しくなる原因は、経営努力や勇気の問題ではありません。
多くの場合、開業準備の段階で「価格が動かせない前提」の設計をしてしまっていることにあります。

● 開業時に起きやすい価格設計の勘違い

開業時は、どうしても「集客できるか」が最優先になります。
その結果、価格は次のような決め方になりがちです。

・近隣相場より少し安くする
・原価率から逆算する
・とりあえず入りやすい価格にする

これらは一見合理的に見えますが、共通点があります。
それは「後で動かす前提がない」という点です。

この決め方で開業すると、価格は単なる数字ではなく「店との約束」になります。
その約束を変更する行為が値上げになるため、心理的にも構造的にもハードルが極端に高くなります。

● 「集客起点」で作ると価格は縛りになる

値上げできない店ほど、開業時にこう考えています。

「まず来てもらわないと始まらない」
「高いと誰も来ないのではないか」

その結果、

・安さ
・量
・分かりやすさ

を前面に出した設計になります。

この時点で、価格は「選ばれる理由」そのものになります。
選ばれる理由になっているものは、後から変えられません。

つまり、集客起点で価格を置くと、その瞬間に値上げ耐性は大きく下がってしまいます。

● 値上げできない店は「固定前提」で作られている

もう一つの共通点は、「変わらない店」を前提に設計していることです。

・メニューが完成形
・価格が完成形
・業態が完成形

この状態でスタートすると、変化=改悪になりやすくなります。

一方、値上げできる店は最初から未完成前提です。
変わる余地、動かせる余白、調整できる構造を残したまま開業しています。

● 値上げできない理由は「勇気」ではなく「設計」です

値上げで悩む店ほど、「自分が弱いから」「言い出せないから」と考えがちです。
しかし現場で見ていると、問題はほぼ構造です。

・価格を動かすとコンセプトが壊れる
・一品上げると全体が崩れる
・上げた瞬間に来店理由が消える

この状態では、どれだけ覚悟があっても値上げは難しくなります。
値上げできるかどうかは、開業後の努力ではなく、開業前の設計でほぼ決まっています。

■ 値上げに耐えられる客層設計ができているか

値上げできるかどうかを決めている最大の要因は、料理でも原価でもなく「誰が来ているか」です。
価格の上限は、メニュー表ではなく客層によって決まっています。

● 値上げに弱い客層の共通点

値上げが難しくなる店には、典型的な客層パターンがあります。

・近いから来ている
・安いから選んでいる
・量が多いから満足している

この場合、価格は「来店理由」そのものです。

値上げは、その理由を自分で消す行為になります。
その結果、「客が離れるのが怖くて上げられない」のではなく、「構造的に上げられない」状態が生まれます。

● 値上げに耐える客層は“目的来店”です

一方、値上げできる店に共通するのは、目的を持って来る客が多いことです。

・この料理が食べたい
・この店の空気が好き
・この人の店だから来る
・この時間を過ごしたい

この場合価格は「条件の一つ」にすぎません。

来店理由の中心が価格以外にあるため、価格が動いても関係性は簡単に切れません。
この状態を作れるかどうかが、値上げ耐性を決定づけます。

● 客層は「開業時」にほぼ固定されます

重要なのは、客層は自然発生しないという点です。
ほぼすべてが、開業前後の設計で決まります。

・立地(生活導線か、目的地か)
・業態(代替が効くか、専門性があるか)
・価格帯(誰にとって“ちょうどいいか”)
・店名・外観・打ち出し

これらはすべて、どんな人が入ってくるかのフィルターです。
開業時に「誰でも来てほしい」と設計すると、結果として「値段で選ぶ人」が最も多く集まります。

● 客層設計は価格戦略そのものです

「料理が良ければ、客はついてくる」これは半分正しく、半分危険です。
料理が良くても、

・安さ目的の客
・近さ目的の客

が中心であれば、価格は上げられません。
値上げできる店は、「誰に来てほしいか」を先に決め、「その人が納得する価格帯」を後から置いています。

順番が逆になると、価格は足かせになります。

● 値上げできるかは、開業前の“人選”で決まる

値上げできるかどうかは、将来の交渉力ではありません。
開業時に、どんな人を選んだかの結果です。

客層は集めるものではなく、選ぶものです。
その選択が、数年後の価格の自由度を決めています。

■ メニュー構成が「価格改定できる形」になっているか

値上げができない店を見ていくと、メニューに共通した特徴があります。
それは、「どれも主力商品」になっていることです。

● 「全部が看板商品」の危険性

開業時は思い入れが強くなり、

・全部おすすめ
・全部売りたい
・全部主力

という構成になりがちです。
この状態では、どの商品を動かしても「店の顔」を変えることになります。

一品値上げするだけで、コンセプトが崩れたように感じさせてしまいます。
結果として、「どこも上げられない」という状態が生まれます。

● 値上げできないメニュー構造の典型

値上げに詰まるメニューには、いくつかの共通点があります。

・価格帯が一段しかない
・原価に強く引っ張られている
・単品完結で構成が動かせない
・代替・移動ができない

この構造では、価格改定は常に「全面改定」になります。
小さく動かすことができず、結果として先送りになります。

● 値上げできる店は「役割」でメニューを作っています

値上げできる店のメニューは、料理名ではなく役割で設計されています。

・集客商品(入り口)
・利益商品(利益を作る)
・調整商品(価格を動かす)

この分離があることで、

・上げやすい商品
・入れ替えやすい商品
・構成で単価が変わる商品

が生まれます。
値上げは「全部を上げること」ではなく、「動かせる場所を持っているかどうか」です。

● 「並び方」が価格耐性を決めます

同じ料理でも、並び方次第で価格改定の難易度は大きく変わります。

・価格帯に段差がある
・盛り合わせやセットがある
・サイズ・グレード違いがある
・限定や季節商品がある

これらはすべて、価格を直接いじらずに単価を動かせる装置です。
値上げできる店は、「何を出すか」より「どう並べるか」を先に設計しています。

● メニューは「売る表」ではなく「経営の装置」です

メニューは、注文を取る紙ではありません。
経営をコントロールする装置です。

◎価格改定できないメニューは、「完成品」として作られています。
◎価格改定できるメニューは、「可動部品」として作られています。

この違いが、数年後の自由度を決定づけます。

■ 「値上げの理由」が自然に生まれる店内構造・オペレーション

値上げで揉める店と、受け入れられる店の違いは明確です。
それは、「値上げが説明になるか」「現象になるか」です。

● 値上げが荒れやすい店の共通点

値上げが問題になりやすい店には、共通した構造があります。

・変化が見えない
・手間が伝わらない
・店が止まって見える

この場合、客が認識できる変化は「価格」しかありません。
そのため、値上げは「理由のない値上げ」になります。

どれだけ裏側で努力していても、伝わらなければ存在しないのと同じです。

● 値上げ理由が自然に生まれる店の特徴

値上げが受け入れられる店は、日常の中に変化と情報があります。

・仕込みや調理工程が見える
・季節や限定で常に動きがある
・食材や工程の背景が語れる
・「前と違う」が体験できる

こうした店では、値上げは単なる価格変更ではなく、「進化」「更新」「深化」の一部になります。
結果として、「高くなった」ではなく「良くなった」という認識が生まれやすくなります。

● 店内構造とオペレーションが「語る装置」になる

値上げ理由は、ポスターで作るものではありません。
日常の店内体験から生まれます。

・厨房が見えるか
・どこで手間をかけているか
・何が変わり続けているか
・スタッフが何を語れるか

これらはすべて、開業時の設計で決まります。
厨房を閉じれば工程は消えます。

固定メニューだけにすれば変化は止まります。
動線を切れば物語は断絶します。

逆に、構造があれば、理由は勝手に発生します。

● 「説明しなくて済む」状態を作れるか

値上げできる店は、張り紙で説得しません。

・最近メニューが変わっている
・仕込みが大変そう
・前より美味しくなっている
・新しい挑戦をしている

こうした蓄積があるため、値上げは「そうだろうな」という結果になります。

値上げの瞬間だけで納得させようとすると必ず歪みます。
日常の中で、納得が積み上がっているかがすべてです。

● 値上げ耐性は「現場設計」で決まります

値上げ理由を生む力は、マーケティングではなく現場にあります。

▶どこを見せるか。
▶どこを変え続けられるか。
▶どこに手間を残すか。

これらを開業時に仕込めているかどうかが、数年後の価格自由度を決定づけます。

■ 開業時にやっておくべき“逃げ道”設計

値上げができなくなる店の多くは、「価格を上げられない」のではなく、「他に手がなくなっている」状態に陥っています。

この状態を避ける鍵が、開業時に仕込む“逃げ道”設計です。

● 逃げ道がない店は「詰みやすい」

逃げ道がない店には、共通した構造があります。

・客単価が一段しかない
・量も内容も固定されている
・メニュー変更が世界観を壊す
・削れるコストが残っていない

この状態で原価や人件費が上がると、残された選択肢は「値上げするか、我慢するか」だけになります。
この二択になると、経営は一気に苦しくなります。

● 逃げ道とは「値上げ以外で利益を守る道」です

逃げ道とは、安売りのことではありません。
価格を変えずに、実質を調整できる余地のことです。

たとえば、

・量で調整できる
・構成で単価が動く
・グレード違いがある
・時間帯別の商品がある
・限定や入替が前提になっている

これらはすべて、「いきなり値上げしなくても済む道」であり、同時に「値上げを穏やかにする緩衝材」でもあります。

● 逃げ道は後から作れません

営業が始まってから逃げ道を作ろうとすると、「前と違う」「劣化した」「迷走している」という印象を与えがちです。
逃げ道は、

・図面
・業態
・メニュー構成
・オペレーション

を決める段階でしか、自然に組み込めません。
最初から可変前提で作っている店だけが、調整しても“進化”に見せることができます。

● 逃げ道がある店は「選択肢」が多い

逃げ道がある店は、苦しくなった時に考えることが違います。
「上げるか我慢するか」ではなく、「どこを動かすか」「どこで吸収するか」「どこで作るか」という思考になります。

この状態を作ること自体が、開業設計の大きな役割です。

● “逃げ道”は保険ではなく戦略です

逃げ道は、守りの話に見えますが、実際は攻めの余白でもあります。

・新商品を出せる
・単価を育てられる
・客層を広げられる
・価格を段階的に動かせる

こうした展開ができる店ほど、結果的に値上げも穏やかになります。
値上げできる店は、値上げしか残っていない店ではありません。

逃げ道が複数ある店です。

●価格変更にも柔軟に対応できるPOSレジ

飲食店専用 iPad POSレジ オーダーエントリーシステム tenposAir/業務用/新品/送料無料

商品はこちら

POSレジについてお問い合わせはこちら

■ まとめ:値上げできるかどうかは、開業初日でほぼ決まっています

値上げは、経営者の度胸や交渉力の問題だと思われがちです。
しかし現場を見ていると、その認識はほとんどの場合当てはまりません。

値上げできるかどうかは、「その時どう判断するか」ではなく、「どんな店として始まったか」でほぼ決まっています。

● 値上げは“イベント”ではなく“結果”です

値上げで揉める店ほど、値上げを大きな決断として扱います。
一方、値上げできる店では、価格改定は経営調整の一つに過ぎません。

この違いを生んでいるのは、日々の構造です。

・値上げに耐える客層
・動かせるメニュー構成
・理由が生まれる現場
・逃げ道のある設計

これらが揃っている店では、値上げは「宣言」ではなく「自然な変化」になります。

● 「上げられる店」は、最初から上げなくていい店です

値上げできる店は、常に値上げをしているわけではありません。
むしろ、値上げしなくても吸収できる選択肢を持っています。

・構成で単価を作れる
・商品入替で実質調整できる
・グレードや用途で分散できる

その結果として、「上げても大丈夫な状態」が維持されます。
値上げできる力とは、値上げしか残っていない状態を避ける力です。

● 開業設計は、将来の価格自由度を決めています

開業時に決めることは、内装や設備だけではありません。

・誰を客にするのか
・何を動かせるのか
・どこで理由を作るのか
・どこに余白を残すのか

これらはすべて、数年後の価格の自由度を決めています。
開業初日はスタートではなく、すでに価格戦略はかなりの部分が確定しています。

● 値上げできるかではなく、値上げが選択肢にあるか

これから開業する方にとって重要なのは、「将来値上げできるか」ではありません。
「将来、値上げが“選択肢の一つ”として残っているか」です。

そのためには、安さで選ばれる店ではなく、理由で選ばれる店を設計すること。
固定された完成形ではなく、動かせる構造で始めること。

それが、長く続く店の価格戦略です。

テンポスでは、これから開業を目指す方、飲食店の経営についてお悩みの方に向けてさまざまな情報を発信しています。
是非ご活用ください。

はじめての開業を徹底サポート

開業前・開業後のお悩みにお答えする情報が盛りだくさん!

業務用調理機器や小物、食器から家具に至るまで、多数取り揃えております。
是非テンポスへご注文からご相談まで、お気軽にお問い合わせください。

テンポスドットコムはこちら

#飲食店 #選択肢 #値上げ #開業時 #客層 #理由 #メニュー構成 #逃げ道 #自然な変化 #単価 #商品入替 #開業設計 #将来の価格

タグ:

関連記事

最近の記事

  1. なぜ売れない?「いい立地」なのに売れない店の共通点は、厨房にありました

  2. 素材の旨みが感じられる!お家で楽しむ「塩ちゃんこ鍋」について解説!

  3. 喜多方ラーメンとは?特徴・味・なぜ有名なのかを徹底解説

会員登録は下記リンクから

「会員登録」で受けられる
3つの特典はこちら

下記「おトク」な情報をメールでお届けします
新商品・限定商品
中古商品の入荷情報
「タメになる」セミナー情報など
無料で開業相談が受けられます
物件情報のお問合せが可能です

Xで最新記事を配信中

twitter
TOP
[sml-is-logged-in-hide]
新規登録
[/sml-is-logged-in-hide][sml-is-logged-in]
開業・物件相談はこちら
[/sml-is-logged-in]