「在庫はできるだけ持たない方がいい」「毎日仕入れた方が鮮度も安全」
飲食店の現場では、こうした考え方が“常識”のように語られることが多いです。
しかし実際には、小規模店ほどこの“発注頻度”の考え方が原因で、
・仕入れが雑になる
・数字感覚が鈍る
・無駄なコストが増える
といった問題にハマっているケースを数多く見てきました。
今回のテーマは、仕入れ「量」ではなく「回数」。
なぜ毎日発注が必ずしも正解ではないのか、そして小規模店に合った発注頻度とは何かを、厨房と経営の両視点から整理していきます。

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目次
■ 「毎日発注=安全」という思い込みが生む、見えないコスト

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小規模店ほど、「在庫は持たない方がいい」「毎日発注していれば安心」という考え方に寄りがちです。
確かに、欠品や大量ロスのリスクは下がります。
しかしその一方で、毎日発注が“別のコスト”を静かに増やしているケースは非常に多いです。
● 発注作業そのものが業務を圧迫しています
発注には、在庫確認、数量判断、伝票処理、業者連絡など多くの工程があります。
毎日これを行うと、短時間でも積み重なり、仕込みや教育、売場改善に使えるはずの時間を確実に削っていきます。
小規模店では経営者や料理長が担うことも多く、「忙しいのに儲からない」構造の一因になります。
● 少量・高頻度は仕入れコストが下がりにくい構造です
毎日少量で仕入れると、ロットが組めず単価が下がりにくくなります。
送料・配送対応・伝票処理などの“見えないコスト”も増えます。
在庫は少ないのに原価率が改善しない店は、この構造にハマっていることが多いです。
● 最大の問題は「考えなくていい仕組み」になることです
足りなくなったら明日頼めばいい。
この状態は一見便利ですが、使用量や回転、廃棄を考えなくなる危険な状態でもあります。
発注が「管理」ではなく「反射作業」になり、数字を見ない文化が出来上がってしまいます。
毎日発注は安全策ではなく、思考停止を生む仕組みになることがあります。
本当に警戒すべきコストは、在庫ではなく「考えなくなる現場」なのです。
■ 発注回数が多い店ほど、現場の数字感覚が鈍くなる

発注は本来、「在庫を補充する作業」ではなく「数字を管理する行為」です。
しかし発注回数が増えるほど、現場ではその意識が薄れ、次第に“作業化”していきます。
その結果、小規模店ほど深刻な数字感覚の低下が起こりやすくなります。
● 「減ったから頼む」発注が当たり前になります
毎日発注の現場では、「何日で何キロ使うか」「今日は何人分出たか」といった視点が抜け落ちがちです。
冷蔵庫を見て減っていれば発注する。
この状態では、使用量・回転数・適正在庫という経営に必要な数字が蓄積されません。
● 少量廃棄が“見えないロス”に変わります
毎日少しずつ廃棄していると、「今日はこれくらいなら仕方ない」という感覚が定着します。
1日では微量でも、1か月単位で見ると大きな原価ロスになります。
しかし高頻度発注の店ほど、この累積ロスを誰も把握していません。
● 発注担当が「管理者」ではなく「作業者」になります
本来の発注業務は、売上予測・在庫量・使用ペースを踏まえた経営判断です。
しかし、回数が多いと、発注は単なるルーティン作業になり、「なぜこの量なのか」を誰も説明できなくなります。
属人化も進み、店全体で数字を共有できなくなります。
発注回数が多いほど現場は楽になりますが、その分、数字を見なくなります。
小規模店にとって本当に怖いのは欠品ではなく、「どれくらい使っているか分からない状態」です。発注頻度を見直すことは、数字感覚を現場に取り戻す第一歩になります。
■ 発注を減らすと、なぜ在庫管理が回り始めるのか

発注頻度を意図的に減らすと、現場の動きと数字の見え方が大きく変わります。
「頼めば来る」状態から、「今あるものでどう回すか」を考える状態へ変わることで、在庫管理は自然に機能し始めます。
● 「何日もたせるか」を考えるようになります
発注間隔が空くと、「次の納品までにこの食材を何日使うか」を意識せざるを得なくなります。
すると自然に、1日の使用量、曜日ごとの動き、売上との関係が見えてきます。
在庫は“置いてある物”から“経営データ”に変わります。
● 仕込みとメニューが在庫基準に変わります
発注を減らすと、「この食材をどう使い切るか」「この仕込み量は適正か」といった視点が生まれます。
結果として、仕込み量の調整、メニュー構成、使い回しの設計など、厨房オペレーションそのものが在庫基準で整い始めます。
● 発注前に在庫を見る文化が生まれます
高頻度発注の現場では、発注は“反射”になりがちです。
回数を減らすと、必ず在庫を数え、状態を確認し、スタッフと共有する工程が入ります。
この一手間が、廃棄・過剰仕込み・隠れ在庫を減らしていきます。
発注を減らすことは、業務を不便にすることではありません。
在庫を「考える対象」に戻すことです。
発注頻度が下がった瞬間から、在庫管理は作業ではなく経営の一部として回り始めます。
■ 発注を減らしても、鮮度と品質は落とさなくていい
発注頻度を下げる話をすると、必ず出てくる不安が「鮮度が落ちるのではないか」「品質が下がるのではないか」という点です。
しかし実際には、鮮度と品質は発注回数ではなく“設計”で守ることができます。
● 食材を「劣化スピード」で分けて考えます
すべての食材を同じ感覚で扱っていると、毎日発注に頼らざるを得ません。
葉物・刺身用・カット野菜のような即日系、数日持つ根菜・肉・加工品系、冷凍・半加工で管理するもの。
こうして分類すると、「本当に毎日必要なもの」は意外に限られてきます。
● 保存と下処理を前提に組み立てます
真空・チルド・冷凍・小分け・下味処理などを活用すれば、数日単位で品質を安定させることは十分可能です。
発注頻度を下げる代わりに、保存設計と仕込み設計を一段上げることで、鮮度と安定性は両立できます。
● 発注サイクルと仕込み量を連動させます
例えば週2回発注なら、仕込みもそのリズムで回るか。
ここがズレている店ほど、「足りないから追加」「余ったから廃棄」が発生します。
厨房オペレーションと発注設計は、本来セットで考えるべき領域です。
発注を減らすことは、手を抜くことではありません。
仕入れ・保存・仕込みを設計し直すことです。
頻度を下げたときにこそ、その店の厨房レベルがはっきり表れます。
■ 小規模店に合う「発注頻度」の作り方
発注頻度に正解はありません。
重要なのは「自店の規模・メニュー・人員で、管理できる回数かどうか」です。
ここでは、小規模店が無理なく導入でき、かつ数字感覚が育つ発注頻度の作り方を整理します。
● まずは「主要食材3つ」だけで試します
いきなり全食材を変えると現場が混乱します。
肉・野菜・主力食材など、原価影響が大きく使用量が安定しているものから着手します。
ここだけ発注間隔を1日伸ばすだけでも、在庫の見え方は変わります。
● 「週何回」ではなく「何営業日分」で考えます
「週3回発注」ではなく、「3営業日分持たせる」という考え方に切り替えます。
これだけで、売上・天候・曜日変動を考慮した数量判断が必要になり、発注が経営判断に近づきます。
● 発注日を固定し、判断を仕組みにします
忙しさで発注する日がズレると、結局“足りないから頼む”に戻ります。
曜日と時間を決め、必ず在庫確認→数量検討→発注の流れを通すことで、判断が属人化しにくくなります。
● 発注表を「管理資料」に変えます
数量だけでなく、「前回残」「想定使用量」「実際残」を書く欄を作ると、発注表はそのまま在庫管理表になります。
発注頻度の見直しは、帳票設計の見直しでもあります。
発注頻度は、開業時に決めて終わりではありません。
売上規模・スタッフ構成・メニューが変われば、必ず再設計が必要になります。
発注回数を調整できる店ほど、仕入れも経営も安定していきます。
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■ まとめ:発注頻度は「楽さ」ではなく「店の頭脳」です
発注は、仕入れ業務であると同時に、経営そのものです。
しかし現場では、いつの間にか「頼めば来る」「減ったら頼む」という“楽な作業”に変わってしまいがちです。
● 毎日発注は、現場から「考える工程」を奪います
毎日発注は欠品リスクを下げますが、その代わりに、使用量・回転・廃棄を考えなくても店が回る状態を作ります。
その結果、数字が見えず、原価も在庫も「何となく」で動く店になります。
● 発注頻度は、数字感覚を育てる装置です
発注間隔を意図的に空けることで、「何日もたせるか」「どれくらい使うか」という会話が現場に生まれます。
在庫は物ではなくデータになり、発注は作業から経営判断へと変わります。
● 発注は、厨房と経営をつなぐ“頭脳”です
仕入れ・保存・仕込み・メニュー・売上は、すべて発注に集約されます。
発注頻度が整っていない店は、どこかに必ず無理が出ます。
逆に、発注頻度を設計できている店は、厨房と経営が噛み合い始めます。
発注頻度は「楽に回すための仕組み」ではありません。
「店を考えて動かすための装置」です。
もし今、仕入れが惰性になっている感覚があれば、一度“回数”から見直してみてください。
発注頻度が変わると、店の数字の見え方も、現場の会話も、確実に変わり始めます。
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