
東京最北の繁華街・赤羽に2025年8月にオープンしたカフェバー「ハチタイニ」。オープニングメンバーの飯田久瑠美(くるみ)は、その異色の経歴と独自のメニューセンスで、早くも街の注目を集めています。
目次
異色のキャリアと「ハチタイニ」の接客術
飯田さんは、飲食業でのキャリアをスタートさせた後、カフェの店長も担いました。しかしながら、「ビジネスマナーとかの経験がなかった」と自覚し、名刺の渡し方や敬語、メールのやり方といったビジネススキル習得のため、あえて約1年間ほか業界で働きました。「30(歳)手前でちょっとやばいんじゃないかな」という危機感からの行動でした。
その後、独立前に2店舗の飲食店を立ち上げしました。一つは、日本語があまり得意じゃない外国人オーナーの店で、食材の仕入れや業者の契約を一から経験もしました。もう一つは他業種の会社が始めたフランチャイズ店で、飲食経験のないスタッフへの店の回し方や新人教育を深く学びました。
この多岐にわたる経験が、現在の「ハチタイニ」の経営と接客の基盤となっています。

独自メニュー:レモンサワーと看板カレーの「いい感じ」の相性
レモンの風味を生かした手作りベースで、3種類のレモンサワーを展開しています。甘みのある定番タイプの「初級」、無糖のレモンサワー「中級」、さらに中級に塩を添えた「上級」の3段階です。
看板料理の「レモンチキンカレー」は、店内でタバコが吸える店という特性を踏まえ、「タバコにも合うカレー」として開発されました。ココナッツベースにレモンゼストを加え、スパイシーな後味とタバコの煙が「いい感じに混ざり合う」独特の食体験を提供しています。

リピーターを生む「細やかな見極め」
飯田さんが接客で最も大切にしているのは、「入ってきてくれてまず5分でも10分でも楽しかったと思ってもらえるように」することです。
客の雰囲気を瞬時に見極める細やかな接客術で、静かに過ごしたい方、会話を求める方、喋りたいけれど迷っている方、それぞれの様子を判断し、いいタイミングで声かけを行います。
ドリンクについても、カクテルの種類が多いため、客の好みを尋ねたうえで、紅茶系リキュールのティフィンのように、意外と知られていない一杯やお客様の好きそうな飲み物を提案し、リピートに繋げています。
赤羽の新しい拠点として
「ハチタイニ」はカフェバーであり、昼はカフェがメインで夜がバーという業態です。平日、仕事帰りの会社員が「ちょっと1杯ひっかけるか」とフラッと立ち寄る場所となっています。飯田さんはチェーン店が目立つこの地域で「フラッと寄れそうな店」を目指しており、「本当に1杯から大歓迎」だといいます。


Photographer:にしかわとしゆき
name:飯田 久瑠美
shop:「ハチタイニ」
東京都北区赤羽西1-4-13 2F
03-6683-6626




