寒さが本格的に訪れる季節、体の芯から温まりたいときにぴったりなのが「しゃぶしゃぶ」。
薄切りのお肉をさっと湯にくぐらせ、ポン酢やごまだれでいただく日本の冬の定番料理です。
実はこのしゃぶしゃぶ、意外と知られていない歴史や発祥の背景があります。
また、お肉のうまみを最大限に引き出すしゃぶしゃぶの正しい食べ方にもコツがあり、知っているだけでおいしさが格段に変わってくるのです。
今回は、寒くなる季節にピッタリ！「しゃぶしゃぶ」の発祥や美味しい食べ方について紹介していきます。
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目次
「しゃぶしゃぶ」とは？
しゃぶしゃぶとは、薄くスライスしたお肉を熱いだしに「サッ」とくぐらせ、好みのタレにつけて楽しむ日本の代表的な鍋料理です。
お肉本来のうまみを存分に味わえることから、すき焼きと並び、日本の家庭料理および外食としても広く親しまれています。
特徴はなんといっても、お肉を煮込まずに食べる点です。赤身がほんのり残る程度に湯にくぐらせることで、柔らかさとジューシーさを保ちつつ、素材の風味が引き立ちます。
使用されるお肉は、牛肉が主流ですが、豚しゃぶ、鶏しゃぶ、ラムしゃぶなどバリエーションも豊富です。
お肉以外にも、白菜、長ねぎ、えのき、春菊などの野菜、豆腐、葛きりといった具材を組み合わせ、栄養バランスの良い一品としても人気です。
また、つけダレはポン酢とごまだれが定番で、ポン酢はさっぱりとした味わい、ごまだれはコクのある濃厚な風味が楽しめます。
さらに、しゃぶしゃぶの魅力は「だし」にもあります。昆布だしをベースにしたシンプルな味わいが多く、肉を「しゃぶしゃぶ」するごとにうまみが溶け込み、味の変化を感じられるのも醍醐味の一つです。
最後には、うどんや雑炊などで締めを楽しむことで、うまみが凝縮したスープを余すことなく堪能できます。
寒い季節はもちろんのこと、一年を通して多くの人に愛され続ける理由がここにあります。
しゃぶしゃぶ発祥
しゃぶしゃぶの発祥には、諸説ありますが、一般的に広く知られているのは「中国の料理がルーツとなり、日本で独自に発展した」という説です。
起源とされるのは、中国北部の「涮羊肉（シュワンヤンロウ）」という羊肉の鍋料理です。
薄切りにした羊肉を熱湯にくぐらせて食べるスタイルがしゃぶしゃぶとよく似ており、これが日本に入り、牛肉を中心とした現在の形へと進化したといわれています。
日本でしゃぶしゃぶという料理が広く知られるきっかけとなったのは、戦後間もない1950年代です。
大阪の老舗料理店「スエヒロ」が、牛肉を使った新しい鍋料理として提供したことが大きな転機となりました。
お店が鍋の中で肉を揺らすときの音が「しゃぶしゃぶ」と聞こえたことから、この料理名が生まれたと言われています。
印象的で覚えやすい名前だったこともあり、たちまち全国へと広がりました。
当時の日本では、まだ牛肉を日常的に食べる文化が発展途中でしたが、しゃぶしゃぶは、脂っこすぎず上品に食べられると人気が急上昇しました。
昆布だしにくぐらせ、ポン酢やごまだれでさっぱり食べられるスタイルが、多くの日本人の嗜好にフィットしたのです。
その後、家庭用の薄切り肉が普及したことも相まって、しゃぶしゃぶは外食だけでなく家庭料理としても浸透していったのです。
こうして、異国の鍋料理をルーツに持ちながら、日本独自の発想と食文化の融合によって誕生したのが現在のしゃぶしゃぶ。
その歴史は、比較的新しいものの、日本を代表する鍋料理として確固たる地位を築いています。
美味しい食べ方
しゃぶしゃぶは、シンプルな料理だからこそ、食べ方ひとつでおいしさが大きく変わってきます。
ここでは、素材のうまみを最大限に引き出し、最後まで飽きずに楽しむための美味しい食べ方のコツについて紹介していきます。
主に以下のことがあげられます。
肉は「2〜3往復」でさっと火を通す
しゃぶしゃぶの醍醐味は、肉の柔らかさと脂の甘みを最大限に味わえることです。鍋に入れる時間が長いと、肉が締まって硬くなり、美味しさが半減してしまいます。
一般的に、「2〜3往復して色が少し変わる程度」で引き上げるのがベストです。
また、鍋の中心より少し外側の沸騰しすぎないエリアでくぐらせると、均一に火が入り、しっとりと仕上がります。
霜降りお肉ならより軽く、赤身なら少し長めにくぐらせるなど、肉質に合わせて調整するのもポイントです。
野菜は順番を意識して火を通す
しゃぶしゃぶは、お肉だけでなく、野菜や豆腐、春雨などの具材も重要です。
おいしく食べるためには、食材ごとに入れる順番を意識することが大切です。
まず、鍋のだしにうまみをつけるために、白菜の芯や長ねぎといった火が通りにくい野菜から入れます。
その後、きのこ類、豆腐、春菊などを加えることで、香りや甘みがだしに広がり、肉にも深い風味が移ります。
すぐ火が通る葉物類は煮過ぎると食感が損なわれるため、タイミングを見て「サッ」と仕上げるのがおすすめです。
タレは「ポン酢」と「ごまだれ」を使い分ける
しゃぶしゃぶを飽きずに楽しむためには、つけダレの使い分けが重要です。脂の多い肉はポン酢でさっぱり、赤身肉や豚肉はごまだれでコクをプラスするなど、肉に合わせてタレを変えると味わいが広がります。
また、薬味を合わせることで、さらに美味しさがアップします。ポン酢には、もみじおろしやねぎ、ごまだれにはラー油や、すりおろしごまを加えるのがおすすめです。
自分だけの味変カスタ”を楽しむのも、しゃぶしゃぶならではです。
最後はスペシャルな締めを楽しむ
しゃぶしゃぶのだしには、お肉や野菜のうまみがたっぷり溶け込んでいます。このうまみを無駄にしないために、最後の締めは欠かせません。
定番は、うどんや雑炊です。うどんはつるっと食べやすく、小さなこどもから大人まで人気です。
雑炊にする場合は、だしを少し煮詰めてからご飯を入れ、最後に溶き卵を回し入れると、まろやかでぜいたくな味わいになります。
さらに、少量のごまや黒胡椒を加えると香りが引き立ち、味に深みが出るでしょう。
しゃぶしゃぶは、シンプルな料理だからこそ、ちょっとしたコツで驚くほどおいしさが変わります。
これらのポイントをおさえれば、寒い季節の食卓がもっと楽しく、もっと豪華になるでしょう。
「しゃぶしゃぶ」に使う調理器具や食器
テンポスで扱っている、「しゃぶしゃぶ」を作る際に使う調理器具や、おすすめの食器をご紹介！
しゃぶしゃぶあく取り
しゃぶしゃぶ鍋 20cm
まとめ
今回は、寒くなる季節にピッタリ！「しゃぶしゃぶ」の発祥や美味しい食べ方について紹介してきました。
しゃぶしゃぶの発祥は、「中国の料理がルーツとなり、日本で独自に発展した」と言われています。
野菜の順番を意識して入れたり、締めを楽しんだりとおいしい食べ方は豊富にあるため、ぜひ寒くなる季節にしゃぶしゃぶを楽しんでみてください。
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