「夢だった定食屋を開きたい。でも実際、1日にどれくらい売上があるの?本当に利益は出せるの?」そんな不安、痛いほどよく分かります。
定食屋は一見シンプルな業態ですが、小さな店ほど厨房・仕込み・食材ロス・回転率の影響をダイレクトに受けます。
ただし裏を返せば、改善ポイントが明確で、戦略さえ間違えなければ“最速で黒字化できる業態”でもあるんです。
本日は、席数10席ほどの小さなお店を前提に、売上の実情から成功のためのヒケツまで、厨房のプロ視点と経営者視点でお伝えします。

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目次
■ 定食屋の1日に動く“お金の実像”

定食屋の売上は、シンプルな掛け算でほぼ説明できます。
小さな店ほどこの計算の精度が重要になります。
ここでは「売上レンジ(=1日の売上のふれ幅)」を“売上の目安幅”という言葉に置き換えてご説明します。
● 定食屋の売上は「利用された席の数」で決まります
基本式はこれだけです。
「客単価 × 1席あたりの利用回数 × 稼働席数」
定食屋は客単価が読みやすいことが強みです。
例えば平均の客単価を900円、席数10席、1日で各席が平均2.5回使われ、客席が40%ほど埋まる(満席率40%)想定なら…
900 × 2.5 × 10 × 0.4 = 9万円/日
これが「小規模店の1日に動くお金の現実的なライン感(=売上の基準値)」になります。
● 立地で変わる回転率の上限
駅前やオフィス街の導線が強いエリアでは、席の利用回数と満席率が跳ね上がります。
同じ条件で満席率70%、1日3.5回転まで引き上げられると、
900 × 3.5 × 10 × 0.7 = 22万5000円/日
となり、売上の目安幅は「約9万円~22万円以上」と大きく動きます。
立地は“天井を決める要素”ですが、焦点はあくまで「席が何回使われたか」という視点です。
席数が少なくても、回転と満席率を改善できれば上積みは十分狙えます。
● テイクアウトは“客席の限界突破スイッチ”です
小規模の定食屋が売上を底上げする最も分かりやすい手段はテイクアウト強化です。
店内売上が1日10万円前後の設計でも、テイクアウトを+30%加えるだけで…
店内10万円+テイクアウト3万円=13万円/日
と、客席数とは別軸で売上を作ることができます。
ピークの満席による取りこぼしを減らす意味でも、テイクアウトはとても相性が良いです。
特に「提供スピードが速い・まとめて作れる・食材が共通化できる」定食業態では、テイクアウト設計次第で売上が安定します。
● “1日の売上”より“1席の稼働回数”を追うのが正解です
売上は日によって変動しますが、指標を“売上額”そのものではなく「1席が何回使われたか」に置くと、改善ポイントが驚くほどクリアになります。
| 1席2回使われた日 → 900×2×10=1万8000円×満席率
| 1席3回使えた日 → その日の売上は1.5倍以上になります
つまり、席数を増やせない小さな定食屋の成功戦略は「席の稼働を1回増やす設計をする」という一択になります。
小さな店の売上は、よくも悪くも“見える化”しやすく、改善すれば即反映されます。
まずは「客単価」「回転」「満席率」「テイクアウト比率」を数値で追える状態を作ることで、成功への最短ルートが描けるようになります。
■ 小さく始めるための初期投資の最適解

定食屋の開業で大切なのは「派手さより回収スピード」です。
小規模店では、投資を抑えつつ厨房の強さを最大化する設計が、後の利益に直結します。
● 中古厨房機器で初期コストを“強く軽く”できます
小型店に必要な機器は「冷蔵・加熱・盛り付け台・炊飯」が中心です。
テンポスバスターズや、地域の厨房機器専門リサイクル業者を使うと、新品より大幅に投資を下げられます。
● まず揃えるべき4点
冷蔵コールドテーブル(すぐ盛付できる)
LCU-120RM2-F【フクシマガリレイ】横型超薄型冷蔵庫・センターフリー 幅1200×奥行450×高さ800 単相100V/業務用/新品/送料無料

作業台(配膳線上に配置)
TBWT-046 【テンポスオリジナル】【組立式】ステンレス作業台 幅450×奥行600×高さ800mm【業務用/新品】【送料無料】

2口ガスレンジ or IHヒーター
【業務用/新品】【マルゼン】ガスレンジ 2口 デラックスタイプ MGRD-074D 幅750×奥行450×高さ800mm【送料無料】

業務用炊飯器
JNO-A361 (JNO-A361-XS) 【タイガー】電子炊飯ジャー 2升炊 3.6リットル 幅360×奥行426×高さ383(mm)【業務用/新品】【送料無料】

これだけで営業が成立します。
最初から機器を増やすと、清掃・電気容量・動線が複雑になり、投資回収が遅れます。
● 客席より厨房動線に投資するのが正解です
理想は「調理→盛付→提供が3歩以内」で完結するレイアウトです。
座席が10席しかなくても、導線が強ければ回転率が上がり、投資回収スピードが早まります。
カウンターも豪華な造作で作り込むより、木目シートや既製品のカウンターで十分です。
“厨房レジ線”に沿って直線で提供できる設計こそ、最大の投資です。
● 内装投資は“稼ぐ時間帯の強化装置”だけに絞ります
▶ 効果の高い内装3点
◎店頭黒板(視認性を上げる)
◎手書きPOP(定番訴求)
◎配膳棚 or 置くだけで完結する盛付スペース
装飾より「営業の取りこぼしをなくす要素」にだけ使います。
● メニューは設備を増やさず売上を作れる構成にします
例)
鶏の照り焼き、豚の生姜焼き、唐揚げ定食、焼魚1種
→ 同じレンジ・仕込み・冷蔵庫で回せて、食材ロスも削減できます。
小さく始める投資の正解は「設備を増やさない」「動線を直線にする」「盛り付けで止まらない厨房」です。
最初は“最小の強い厨房”から始めて、売上と口コミが育ったタイミングで拡張するのが成功のヒケツです。
■ オペレーションは“ピーク30分”で逆算

小さな定食屋の売上と満足度は、混雑が集中する30分でほぼ決まります。
ここを基準に設計すると、人・機器・仕込み・皿の形まで必要な解が見えてきます。
● まずは提供できる食数の“処理能力”を計算します
ピークを12:00~12:30とすると、合格ラインは「この30分で20~25食を出せる設計」です。
計算式は以下です
30分 ÷ 1食の平均提供時間 × 同時に調理できる機器の数
例)1食の提供平均:4分
同時加熱ができる機器:2口レンジ
→ 30 ÷ 4 × 2 = 15食提供可能
この状態だとピーク時に取りこぼしが出ます。
そこで「仕上げだけで出せる皿」を増やし、実質の提供時間を2.5~3分まで短縮します。
30 ÷ 3 × 2 = 20食まで到達
これでピークキャパが合格圏内に入ります。
● 仕込みは“加熱しないで出せる状態”をどれだけ作るかが鍵です
おすすめの配分です
前日仕込み
煮物、だし、小鉢下味、肉タレ(保管するだけの状態)
朝の仕込み
野菜カット、副菜カップ詰め、メインの下味(温めるだけの状態)
営業中
仕上げ調理と盛り付けだけ
これにより、「加熱作業=メインだけ」「その他=置くだけ」オペにできます。
● 皿の形と配置で提供スピードはさらに縮まります
皿設計の盲点を押さえてください。
・小鉢はカップ詰めで冷蔵庫から“置くだけ”
・メインは加熱後、皿の中央に“乗せるだけ”
・ごはん+味噌汁の位置は固定(作業迷子を作らない)
盛り付けの配置を最初から決めると、スタッフ思考が止まらず、回転率が維持できます。
● 人員はピークの必要人数で決めます
席数10席でも、ピーク30分に必要なのは最低2名体制です。
役割モデル)
調理1名:メイン加熱と汁物
盛付・提供1名:小鉢→メイン→ご飯→受け渡し
この“2名の最大供給ライン”で回せれば、その他の時間帯は1名でも営業できます。
● ピークが“地獄”ではなく“ボーナスタイム”になる設計にします
小規模店の失敗原因は来客の不足ではなく、「ピークに出せないから売れない」というケースが圧倒的です。
しかし逆算設計にすれば…
・30分で出せる数が見える
・仕込みの量も必要な分だけ分かる
・食材も使い切れる量で発注できる
・満席でも詰まらない厨房になる
つまり、“ピーク30分の数式設計こそが黒字の入口”になります。
まずは「提供時間3分」「同時加熱2口」「ピーク2名」「置くだけ小鉢」の4つをセットで設計してください。
これだけで稼働の詰まりが止まり、売上の取りこぼしが確実に減ります。
■ 利益と食材ロス対策のチューニング
小さな定食屋では「売れる順番・食材の使い方・発注ルール」の3つが利益を左右します。
ここが整えば、席数が少なくても手元に残るお金は増えていきます。
● 売上より“残るお金”でメニューを並べます
人気がある=利益が高いとは限りません。
例えば原価が高めの刺身が主役の定食ばかりだと、調理時間も食材コストも膨らんでしまいます。
● 粗利と調理負荷が安定しやすい定番メイン例
豚のしょうが焼き/鶏の照り焼き/唐揚げ定食
→ 1台のレンジで加熱が完結し、仕込みも共通化しやすく、ロスも抑えられます。
これらを「人気主役メニューの間に挟んで配置」すると、厨房が詰まらず粗利バランスも改善します。
● 食材は多品目で買わず“使い回せる基礎素材”に絞ります
発注を強くするコツです。
・米・豚・鶏・季節野菜などは全メニュー横断で使える素材にする
・タレや小鉢のベース調味は共通仕込みで作る
・保存は“温めるだけ”“置くだけ”の状態で保管
こうすると、仕入れ回数も食材数も減り、管理工数が下がり、冷蔵庫のスペース=利益のスペースに変わります。
● 買いすぎを止める“棚で区切る発注ルール”を作ります
冷蔵庫内の棚ごとに日数上限を決めると発注量を自動で制御できます。
● 実践しやすい例です
1棚=2日分まで
▶1棚のスペースに収まらないなら発注しない。
▶余った分は翌日の小鉢かテイクアウトで使い切る設計にする。
このルールだけで過剰在庫・廃棄ロス・買いすぎが止まり、利益が目に見えて残るようになります。
小さな店は数字がそのまま商売に影響します。
しかしこの性質は弱みではなく、改善すれば即強化できる“直結型の武器”です。
まずは「利益の高い定番メイン」「食材の共通化」「棚上限ルール」を導入して、手元に残るお金の最大化から始めてみてください。
■ 成功する店主の“1日の設計習慣”
小さな定食屋は“時間の使い方”で利益と評判が決まります。
繁盛店の店主は、1日を「場面の継ぎはぎ」ではなく“稼ぐ流れの設計図”として作っています。
● 開店直後は“口コミと粗利”の仕込み時間です
開店後の2時間は、提供スピードが最も速く、写真も撮られやすい時間帯です。
この時間に置くべきなのは「早く出せる・定番人気・粗利が強い」メニューです。
代表的にはだし巻き定食や揚げ物が相性抜群です。
お客様の満足とSNS拡散を同時に獲得できます。
● 休憩は“戻りの準備”で決めます
「何時に店を閉めるか」ではなく、「休憩中にどれだけ仕込みを戻せるか」で逆算します。
15:00~17:00の休憩で10食分の追加準備ができるなら、夜ピークでの取りこぼしがなくなり、売上も口コミも安定します。
● 夜のピークは“短時間で最大出力”に絞ります
夜は提供スピードが落ちやすい時間帯ですが、調理工程を減らせばボーナスタイムになります。
「再加熱+置くだけ小鉢+ご飯・味噌汁の位置固定」が理想です。
● 口コミ導線は“押しやすい形”を作ります
評価は頼むのではなく、導線で作れます。
レジ横POP+QRで簡単にレビュー画面へ飛べる設計がカギです。
特に多くの導線を持つ「Googleビジネスプロフィール」を整えるだけで、評価の入り方が変わります。
1日の設計を「仕込み→提供→休憩→戻り→口コミ」という流れで作ると、客席の少なさは“調整しやすい強さ”に変わります。
まずは稼ぐ時間を決めて、そこから人と皿と仕込み量を決めるクセを作ってみてください。
■ まとめ:小さな定食屋は“逆算のクセ”で必ず強くなります
定食屋は、客席数が少なくても成功できる業態です。
なぜなら「売上・提供・発注・作業負荷」が数式で見える化でき、改善が即反映されるからです。
ここまでのポイントを「今日からできる形」にまとめてお伝えします。
● 小さな定食屋の成功は4つの掛け算で決まります
1席の利用回数
・満席率(=どれだけ席が埋まるか)
・客単価
・テイクアウト比率
つまり「1日にいくら稼いだか」より、“席が何回使われたか”を追うのが正解ということです。
● 初期投資は“最小で強い厨房”を作るためだけに使います
中古機器で揃えられるテンポスバスターズを使い、まずは コールドテーブル冷蔵庫、2口レンジ、作業台、炊飯器の4点でスタートします。
客席装飾より「3歩以内の直線提供導線」に投資するほうが回収スピードも売上も強くなります。
● ピーク30分を“地獄”から“稼ぐ時間”に変えます
ピークで20食出せる設計を作るには「提供3分」「メイン加熱だけ」「小鉢は置くだけ」「ご飯・味噌汁の定位置」「2名体制」を基準に逆算します。
この設計があると、来客不足ではなく“提供不足”による取りこぼしがなくなり、売れれば売れるほど安定します。
● 食材ロスは“棚の上限ルール”で止まります
冷蔵庫は1棚=2日分の食材だけ、というルールにすると買いすぎが物理的に止まります。
余った食材は 小鉢かテイクアウトで使い切る導線に回すことでロスが利益に変わります。
● メニューの“並び”にも意味があります
高原価の一発勝負ではなく、粗利が強く調理工程がシンプルな豚の生姜焼き、鶏照り焼き、唐揚げなどを主役メニューの間に配置すると、利益もオペも安定します。
● 評価はお願いするのではなく“導線で作る”のがコツです
Googleビジネスプロフィールを整え、レジ横POP+QRでレビュー画面へ即アクセスできる設計を作ると自然に口コミがたまっていきます。
▶店を強くする順番です
・1席の稼働回数を数える
・設備は3工程で回せる構成にする
・仕込みは“温めるだけ・置くだけ”の状態を作る
・冷蔵庫は棚上限ルールで発注量を制御
・口コミはQR導線で回収
小さなお店は“制約がある”のではなく、“最適化しやすい”んです。
まずは「逆算して決める→その通り動かす→また逆算する」というクセを作ってみてください。
これだけで、忙しさは混乱ではなく“利益のエンジン”に変わっていきます。
小さくスタートしても、強い厨房と導線設計があれば必ず成功に近づけます。
ぜひ楽しんで準備を進めていってくださいね。
「また来たい」と思ってもらうために、ぜひ小物選びにもこだわってみてください。
明日のランチからすぐ使える工夫ばかりですので、ぜひお店に合うものから取り入れてみてください。
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