開業前は、多くの方が「家賃」「内装」「厨房機器」「仕入れ原価」といった“目に見える大きな支出”を中心に資金計画を立てます。
しかし実際に店を動かし始めると、想定外のところから毎月少しずつ資金が削られていきます。
しかもそれらは、設備でも食材でもありません。
「運営しているだけで発生する出費」、いわば構造が生む出血です。
この記事では、「開業直前コスト」とは別角度から、開業後に“地味に効いてくる出費”の正体を、運営フェーズの視点で整理していきます。

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目次
■ 請求書でしか気づけない「外注・委託系コスト」

開業後、資金繰りにじわじわ効いてくる出費の代表格が、外注・委託系コストです。
これは設備投資のように目立つ支出ではありませんが、毎月必ず請求書として届き、気づかないうちに固定費化していきます。
● 消耗品より怖い「やめにくい支出」
害虫駆除、グリストラップ清掃、ダクト清掃、ゴミ回収、リネン管理などは、ほとんどの店が業者に任せています。
これらは「衛生」「安全」「義務」という言葉で正当化されやすく、一度契約すると見直されにくい支出です。
一件ごとの金額は小さくても、合計すると人件費一人分に近づくことも珍しくありません。
● サブスク型サービスが固定費を膨らませる
POS、予約管理、勤怠、シフト、発注、BGM、口コミ管理など、月額課金のサービスは年々増えています。
便利さと引き換えに、「売上に関係なく出ていくお金」が増えていく構造です。
特に苦しい時ほど「やめたら回らない」と思い込み、固定費として居座り続けます。
● 外注費は「店の弱点リスト」
外注が多いということは、それだけ自店で完結できていない領域が多いということでもあります。
清掃、管理、数値、人事、販促。
どこを外に出しているかを見ると、その店の運営上の弱点が見えてきます。
問題は外注そのものではなく、「合算されないまま積み上がること」です。
● 請求書は運営構造の領収書
外注・委託費は、突然増えることは少ない代わりに、減ることもほとんどありません。
毎月届く請求書は、「この店の運営構造にいくら払っているか」を示す明細です。
開業後に慌てないためには、開業前から
・何を外注するのか
・それはいくらで固定化するの
・設計で減らせないか
を洗い出しておくことが重要です。
外注・委託系コストは、最も静かに、そして最も長く資金を削り続ける支出だからです。
■ 壊れる前から発生している「調整・やり直しコスト」

開業後に想定外で多く発生するのが、修理ではなく「調整」と「やり直し」にかかる出費です。
設備が壊れていなくても、現場は動きにくい、回らない、合わないという理由で、次々と手直しが必要になります。
● 故障より先に来るのは「使いにくさ」
実際の現場では、「壊れたから直す」よりも「やりにくいから変える」「無理があるから足す」という支出の方が圧倒的に多くなります。
棚の増設、作業台の位置変更、コンセント追加、動線修正、照明変更。
どれも緊急ではありませんが、放置すると現場が回らなくなるため、少しずつ手を入れていくことになります。
● メニュー変更が連鎖的にお金を生む
開業後、多くの店でメニューは必ず動きます。
売れない、時間がかかる、オペレーションに合わない。
そう判断した瞬間から、別の出費が発生します。
新しい料理に合わせた食器、盛り付け備品、保存容器、仕込み道具。
メニュー表の作り直し、写真の撮り直し、POPの差し替え。
メニュー調整は改善ですが、同時に継続的な出費源でもあります。
● 環境トラブルは「後付けコスト」になりやすい
暑さ、煙、湿度、におい、音。
これらは図面上では問題なく見えても、営業が始まると一気に表面化します。
スポットクーラー、追加換気、仕切り設置、防音対策。
環境トラブルはほぼすべて「後から足す」形になり、割高で、繰り返しやすいのが特徴です。
● 調整費は「設計ズレの請求書」
調整・やり直しコストは、突発的な事故ではありません。
多くは、開業前には見えなかった設計上のズレが、現場化した結果です。
そしてこの支出の怖さは、一度で終わらず、「直す → 使う → また直す」を繰り返すことにあります。
修理費は単発ですが、調整費は毎月型です。
開業後に資金が残らない店ほど、この「静かな調整出血」を抱えています。
■ 売上に直接ならない「管理・維持のための支出」

開業後、資金繰りを静かに削っていくのが、売上に直接つながらない「管理・維持のための支出」です。
これは原価や人件費のように目立たず、数字上も分解されにくいため、気づいたときには大きな額になっています。
● 毎日必ず減っていく「現場消耗費」
洗剤、スポンジ、ゴミ袋、ペーパー類、手袋、消毒資材。
これらは一つひとつは安価ですが、営業すれば必ず減り、必ず補充が必要になります。
さらに、グラスや皿の欠け、トングやトレーの紛失、保存容器の劣化など、備品の消耗も止まりません。
「気づいたら足りない」「割れたから買う」の繰り返しで、毎月確実に現金が出ていきます。
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● 利益を生まないが、止められない支出
ユニフォームの補充やクリーニング代、マット交換、清掃用品、衛生備品。
これらは売上を増やしませんが、止めると即座に現場が荒れます。
管理コストは、削ると数字は一時的に良く見えます。
しかし現場の質が落ち、クレームや事故、離職の引き金になります。
● 数字に表れにくい「第三の出費」
多くの店では、
◎原価=食材
◎固定費=人件費・家賃
で思考が止まります。
管理・維持の支出は、このどちらにもはっきり属しません。
そのため予算化されず、「その他経費」として処理され続けます。
しかし実際には、ここが膨らんでいる店ほど、利益が残りにくくなります。
● 管理費は「店の体温」です
管理・維持コストは、その店の運営状態をそのまま反映します。
現場が荒れていれば増え、設計とルールが整っていれば抑えられます。
つまりこれは、偶然の出費ではなく、運営構造の結果です。
開業後に資金を守るには、
・何が毎月減っているのか
・なぜ減るのか
・仕組みで止められないか
を一度すべて書き出すことが重要です。
管理・維持の支出は、最も目立たず、しかし最も長く資金を削り続ける領域だからです。
■ 「人の入れ替わり」でしか発生しない隠れコスト
人件費は資金計画に入れていても、「人が辞めることで発生する出費」まで想定している方は多くありません。
しかし実際の現場では、この“入れ替わりコスト”が、資金と現場の両方を静かに削っていきます。
● 採用費より重い「再スタート費用」
求人掲載費、原稿作成、写真撮影、応募対応。
採用活動を始めるだけで、すでにお金と時間が発生します。
さらに、制服・名札・ロッカー備品・靴・エプロン。
一人入るたびに、初期支給コストが必ずかかります。
これは人件費ではなく、「人を入れ替えるための費用」です。
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● 教育期間は「売上が落ちる時間」
新人が入ると、即戦力にはなりません。
その間、先輩スタッフや店主は教育に時間を取られ、生産性が下がります。
仕込みミス、作り直し、廃棄、提供遅延、クレーム対応。
これらはすべて、教育期間に発生しやすい“見えない損失”です。
帳簿には出ませんが、確実に利益を削っています。
● 定着しない店は、毎月開業している
人が定着しない店は、毎月がプレオープン状態です。
オペレーションが固まらず、現場レベルが安定せず、改善が積み上がりません。
結果として、
・教育コストが消えない
・現場品質が上がらない
・クレームと手直しが増える
という負の循環に入ります。
● 離職コストは「構造費」です
人が辞める理由は個人差があっても、辞め続ける店には必ず構造的な原因があります。
オペレーションが重い、動線が悪い、判断基準がない、評価が不明確。
これらが解消されない限り、採用しても資金は出続けます。
つまり離職コストは、偶然ではなく「店の設計費」です。
開業後の資金を守るには、
・辞めた理由を感情で処理しない
・現場構造に落とし込む
・「人が残る設計」を最初から組む
ことが不可欠です。
人の入れ替わりでしか発生しない隠れコストは、最も過小評価され、最も破壊力のある出費だからです。
■ 「売上を守るため」に削れない防衛支出
資金繰りが苦しくなると、多くの店が「広告費」「販促費」を真っ先に削ろうとします。
しかし実際には、先に重くのしかかるのは「攻めの出費」ではなく、「守りの出費」です。
● 儲けないが、止めると壊れる支出
クレーム対応の作り直し、値引き、サービス補填。
食材ロスは出ますが、対応しなければ信用を失います。
衛生対策、異物混入防止、温度管理備品、検査対応。
これらも売上は生みませんが、止めた瞬間に営業リスクになります。
防衛支出は、利益を生まない代わりに「店の存続」を支えています。
● 評価を守るためのコスト
口コミ対応、写真の差し替え、メニュー表現の修正、店内掲示の作り直し。
これらはすべて、店の評価を下げないための出費です。
評価が落ちてからの回復は、何倍ものコストがかかります。
そのため多くの店は、先回りで小さな出費を続けることになります。
● トラブル予防は、ほぼすべて「後出し」
保険加入、保証契約、温度記録、管理備品、二重チェック体制。
防衛系コストは、多くの場合トラブルが起きてから増えます。
一度痛い思いをすると、二度と外せなくなり、固定費化します。
● 防衛費は「資金体力」を前提にする
防衛支出は、削減対象ではなく、体力前提の出費です。
資金余力がないと、守りを削り、事故が起き、さらに資金が減ります。
この悪循環に入ると、売上以前に営業継続が難しくなります。
開業後の資金計画では、「儲けるための出費」よりも先に、「失わないための出費」を積み上げておく必要があります。
防衛支出は、最も地味で、最後に効いてくるコストだからです。
■ まとめ:開業後の出費は「運営の領収書」です
開業後に発生する“地味に効いてくる出費”は、想定外の偶然ではありません。
それらはすべて、店の設計・体制・運営判断の結果として発生している「必然の支出」です。
● 出費は、過去の判断の結果です
外注費が多い店は、仕組みを外に出す設計をしています。
調整費が止まらない店は、設計ズレを現場で修正し続けています。
管理費が膨らむ店は、現場を回すルールが弱い構造です。
入れ替わりコストが消えない店は、人が残る設計ができていません。
防衛支出が重い店は、資金体力に余裕がない状態で走っています。
どれも偶然ではなく、構造の結果です。
● 請求書は「運営構造の明細書」
毎月届く請求書の束は、「この店が、どんな運営の仕方にお金を払っているか」を示しています。
売上や客数よりも先に、
・何に払っているのか
・なぜそこに払っているのか
・設計で減らせなかったのか
を見ることで、資金が残らない理由がはっきりします。
● 資金計画は「出費設計」です
開業前の資金計画というと、「いくら必要か」に意識が向きがちです。
しかし本質は、「どんな出費が、毎月生まれ続けるか」を設計することです。
運営フェーズの出費を想定せずに開業すると、売上があっても、なぜかお金が残らない店になります。
● 開業後のお金は、構造で守れます
開業後に出るお金を減らす方法は、節約ではありません。
・外注を前提にしない設計
・調整が起きにくい厨房と動線
・消耗しにくい運営ルール
・人が残る現場構造
・防衛費を織り込んだ資金体力
これらを開業前から組み込むことです。
開業後の出費は、「不運」ではなく「運営の領収書」です。
どんな店を作ったかが、毎月の請求額として返ってきます。
これから開業される方は、ぜひ一度、「自分の店は、どんな出費構造を持つのか」という視点で、計画を見直してみてください。
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